岐阜県を中心に、全国の学校や団体で人権講演会・出前授業を行っている「義足パパ」こと大塚一輝です。
今回は、岐阜県の障害者団体「言友会」の皆さんに向けて講演会をさせていただきました。
講演テーマは、「不便だけど、不幸じゃない。」
17歳で骨肉腫を経験し、33歳で右脚を切断した私自身の経験をもとに、障害との向き合い方や人生の選択、そして自分らしく生きることについてお話ししました。
今回も、参加者の皆さんとの交流を通して、私自身が多くのことを学ばせていただきました。
障害の種類は違っても、悩みや葛藤には共通点がある
今回お話しさせていただいたのは、私と同じ義足ユーザーの方々ではなく、異なる障害や悩みを抱える方々です。
障害の種類や日常生活で困ることは、それぞれ違います。
しかし、実際にお話ししてみると、共通する悩みや葛藤がたくさんあると感じました。
例えば、
- 周囲からの何気ない言葉に傷ついた経験
- 障害があることで自信をなくしてしまう気持ち
- 将来や仕事、結婚への不安
- 周囲の理解や社会の制度に対する悩み
私の経験をお話しすると、参加者の皆さんが「分かる」とうなずいてくださる場面もありました。
講演後には、「勇気をもらいました」という嬉しい言葉もいただきました。
私自身、決して特別な成功を収めた人間ではありません。
ただ、病気や障害によって人生が思い通りにいかなかった経験があるからこそ、伝えられることがあると思っています。
義足ユーザーが抱える現実を知ってもらうことも大切
今回の講演では、私自身の体験だけでなく、義足ユーザーを取り巻く社会の課題についてもお話ししました。
すると、参加者の皆さんからこんな声をいただきました。
「義肢装具士が不足しているとは知らなかった」
「市町村によって障害福祉の判定に差があるなんて知らなかった」
義足は、一度作れば一生使えるものではありません。
身体の変化に合わせた調整や修理、交換が必要です。
また、補装具の支給に関する判定や手続きには時間がかかり、自治体や制度の運用によって違いが生じることもあります。
私自身も、義足の申請から完成まで長い時間を要し、不便な生活を経験してきました。
こうした現実は、障害のある方同士でも、意外と知られていないことがあります。
知らないことが悪いのではありません。知ることが、理解への第一歩になると思っています。
だからこそ、講演活動を通して、まだ知られていない障害者の現実を伝え続ける意味があると改めて感じました。
講演後、あるお母さんから「息子の結婚」について相談がありました
今回の講演で、特に心に残った出来事があります。
講演の最後に、あるお母さんからこんなご相談をいただきました。
「こんなことを聞いて失礼で申し訳ないのですが、40歳の息子がなかなか結婚しなくて……」
そして、こう続けられました。
「義足パパさんは17歳でがんを経験し、33歳で義足になられて、大変な人生を歩んでいるのに、素敵な奥様と出会い、自分らしく生きていて本当に素晴らしい。独身の息子に、結婚や人生のアドバイスをいただけませんか?」
正直、私にも人生の「正解」なんて分かりません。
結婚することが幸せとは限りませんし、結婚しない人生にも、もちろん幸せはあると思っています。
ただ、私自身の経験として、お伝えしたことがあります。
障害者になってから、恋愛に消極的になった自分
私は17歳で骨肉腫を経験し、33歳で右脚を切断しました。
障害を抱えるようになってから、恋愛に対して消極的になった時期がありました。
「こんな自分でいいのだろうか」
「相手に迷惑をかけるのではないか」
「障害のある自分を好きになってくれる人なんているのだろうか」
そんな不安ばかり考えていました。
でも、あるとき思ったんです。
「このまま何もしないで終わるのは嫌だ」
自信があったわけではありません。
不安がなくなったわけでもありません。
それでも、自分から一歩踏み出すことを選びました。
その行動の先に、今の妻との出会いがありました。
そして今では、妻と2人の娘に囲まれ、毎日幸せに暮らしています。
人生に正解はない。でも、自分で選ぶことはできる
今回、お母さんにお伝えしたかったのは、「結婚した方がいい」ということではありません。
自分の人生をどう生きたいのか。その気持ちを大切にしてほしい。
ということです。
結婚したいと思うなら、少し勇気を出して行動してみる。
今は結婚したくないと思うなら、その選択も大切にする。
大事なのは、周囲が決めた幸せではなく、自分自身がどう生きたいかだと思います。
自信がなくてもいい。
不安があってもいい。
でも、自分が望む人生に向かって、一歩踏み出すことはできる。
動いた先にしか見えない景色もある。
これは、病気や障害を経験した私が、人生を通して感じていることです。
義足になって不便は増えた。でも、人生を諦めたわけじゃない
右脚を失い、義足で生活するようになってから、不便なことは確かに増えました。
速く走ることは難しいですし、長い距離を歩くと疲れます。
それでも、仕事をして、家族と旅行やキャンプに出かけ、子どもたちと笑い合う毎日があります。
そして今では、全国の学校や団体で講演活動をさせていただいています。
もちろん、つらいことや悩むことがなくなったわけではありません。
それでも、私は今、幸せです。
「不便だけど、不幸じゃない。」
障害があることと、不幸であることは同じではありません。
誰かの人生を、見た目や障害だけで決めつけてほしくない。
そんな思いで、これからも活動を続けていきたいと思っています。
障害者団体・言友会の皆さん、ありがとうございました!
今回の講演では、私自身の経験をお伝えするだけでなく、参加者の皆さんからも多くの気づきをいただきました。
障害の種類は違っても、共感できることがある。
知らなかった社会の課題を、お互いに知ることができる。
そして、人生について一緒に考えることができる。
改めて、こうした交流の大切さを感じました。
言友会の皆さん、貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました!
【全国対応】義足パパの人権講演会・出前授業を受付中!

義足パパ・大塚一輝は、岐阜県を拠点に全国の小学校・中学校・高校・大学、障害者団体、企業などで講演活動を行っています。
講演では、17歳でのがん経験、33歳での右脚切断、義足での生活、家族との日常などを通して、次のようなテーマをお伝えしています。
- 人権・多様性:見た目や障害で人を決めつけないこと
- 命の大切さ:がんを経験して感じた、生きることの意味
- 自分らしく生きること:人生に正解はない。自分で選ぶ大切さ
- 障害理解:義足での生活や障害者が抱える社会の課題
- 挑戦する心:不安があっても一歩踏み出す勇気
学校向けの出前授業では、義足を実際に持ってもらう体験やクイズ、子どもたち自身が考える参加型の授業も実施しています。
「不便だけど、不幸じゃない。」
この言葉に込めた思いを、一人でも多くの方に届けたいと思っています。
全国どこでも、ご縁があれば伺います。
講演会・出前授業をご検討の学校関係者、団体、企業の皆さまは、お問い合わせフォームやSNSのDMからお気軽にご相談ください。

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