【メディア情報】リハビリ当事者の声『リハノワ』で取材されました!

新たな一歩を踏み出すために―義足の種類と価格相場を解説―

「義足っていくらするの?」
「どんな種類があるの?」
「自己負担は高いの?」

本記事では、下腿義足や大腿義足などの種類ごとの価格相場から、補装具費支給制度や各種保険適用による実際の自己負担額まで徹底解説します。

さらに、17歳で骨肉腫を患い33歳で右脚を切断した筆者の実体験をもとに、歩行や仕事、車の運転といった日常生活の疑問にも回答します。

「義足は不便だが不幸ではない」という結論とともに、費用負担を抑える知識と前向きに人生を楽しむ秘訣をお届けします。


ぜひ参考にしてください。

目次

仮義足から本義足になるまでの流れ

義足は既製品ではなく、一人ひとりの身体に合わせて作る完全オーダーメイドです。

そのため、すぐに完成するわけではありません。

一般的な流れは次のとおりです。

① 手術後、傷が落ち着く

② 仮義足を製作 ※仮義足とは(手術後に最初に使用する義足で歩行訓練や断端の成熟を目的に装着する)

③ 歩行訓練・リハビリ

④ 断端の状態が安定

⑤ 本義足を製作 ※本義足とは(断端の形が安定してから作るオーダーメイド義足で長期間使用することを前提としている)

⑥ 微調整を繰り返し完成

義足の製作期間は、おおよそ3週間~1か月です。

本義足へ移行する時期は人それぞれ異なり、医師・理学療法士・義肢装具士が相談しながら決定します。

また義肢装具士は、

  • 年齢
  • 身体能力
  • 仕事内容
  • 趣味
  • スポーツの有無

などを考慮し、一人ひとりに最適なパーツを選択します。

だからこそ、「歩きやすい義足」が完成するのです。

義足の種類と価格の目安とは?

いよいよスタート!義足の種類と価格について詳しく見ていきましょう!

①股義足(こぎそく)

股義足は、片側骨盤切断や股関節切断を受けた方が使用する義足で、義足の中で特に高い技術と調整が求められる義足です。

この義足は主に以下のパーツから構成されています

ソケット:切断した足の残存部分を収納する部分で、装着感を左右する重要なパーツです。

股継手:股関節の役割を果たし、歩行時の可動性をサポートします。

膝継手:膝の動きを代替し、歩く際の自然な動作を実現します。

足継手:足首の機能を補い、全体的なバランスを支えます。

足部:地面に接触する部分で、歩行の安定感を提供します。

股関節部分からの切断という特殊な状態に対応するため、歩行が難しいと感じる方も多いです。
そのため、身体のバランスを保ちながら慣れるまでに時間がかかります。

また、「カナダ式」と呼ばれる方法が一般的で、骨盤全体をソケットで固定する仕様となっています。
これは装着時の安定性を高めるための工夫です。

価格はおおよそ50万円から150万円程度で、使用する素材や機能によって変動します。
例えば、歩行訓練を進めたい方には高性能なパーツが選ばれることもあります。

②大腿義足(だいたいぎそく)

大腿義足は、大腿部を切断した際に使用される義足で、股関節が残っている場合に適しています。
歩行のしやすさを重視しながら、個人の状態に合わせて設計されます。

この義足は、股関節が残っているため股継手(股関節を代替するパーツ)は必要ありません。
そのため、動作が比較的スムーズに行える特徴があります。
例えば、階段の昇り降りや平地を歩くときでも股義足に比べ自然な動作に近い形で歩行できることが可能です。

大腿義足には以下のような装着方式が採用されています

吸着式:ソケット内部で真空を作り、密着感を高めて義足を固定する方式。フィット感が高いのが特徴です。

ライナー式:柔らかいシリコンなどのライナーを装着してから義足を固定する方法。
肌に優しいため、長時間の装着が必要な方に向いています。

差込式:簡易的に義足を差し込む方式で、装着のしやすさが利点です。

価格はおおよそ30万円から100万円程度で、選ぶ方式や使用する素材、追加機能によって異なります。

例えば、吸着式はフィット感に優れていますが、比較的高価になることがあります。

一方で、差込式は装着が簡単でコストを抑えることができます。

③下腿義足(かたいぎそく)

下腿義足は、膝から下を切断した方が使用する義足で、歩行能力を非常に高めることができるタイプの義足です。
股関節や膝関節が残っているため、股継手や膝継手は必要なく、主に以下のパーツから成り立っています。

下腿義足は、股義足や大腿義足に比べて歩行がしやすく、訓練を重ねれば健常者とほぼ変わらないスピードで歩くことが可能です。
例えば、日常的に長距離を歩く方やランニングを楽しみたい方でも、適切な義足を選べば快適に活動できます。

下腿義足には以下の装着方式があり、それぞれに特徴があります

TSB式: 脚全体に均等に負荷をかける設計で、長時間使用しても快適です。アクティブに動き回る方に向いています。

PTB式 :膝下の一部に負荷を集中させる方式で、装着の安定性を高めます。
特に軽作業や短い距離の移動が多い方向けです。

KBM式: 膝周辺をしっかりサポートする設計で、階段の昇り降りなどでの安定感があります。

PTS式:膝上までカバーする構造で、さらに安定性を重視したい方向けの方式です。

差込式: 簡単に装着できる方式で、高齢者や装着に時間をかけたくない方に適しています。

価格相場はおおよそ20万円から50万円で、使用する素材や方式によって変動します。

例えば、アクティブな生活を送りたい方には、軽量で丈夫な素材を使用したTSB式が選ばれることが多く、費用がやや高めになる場合があります。

一方で、費用を抑えたい場合や短時間の使用を目的とする場合には、差込式などのシンプルな設計が適しています。

こんな違いも!構造で選べる義足の魅力とは?

義足には、切断部位に応じた種類だけでなく、構造の違いによる分類も存在します。

それぞれの特徴を理解することで、自分に合った義足選びが可能となります。

  1. 骨格構造義足
    骨格構造義足は、継手やチューブといったパーツで構成され、その外観をウレタンフォーム材で造形するタイプの義足です。この構造により以下のような特徴があります

柔軟性と修理のしやすさ:骨格部分が露出しているため、部品の交換や調整が簡単です。
例えば、足部や継手の一部が傷んだ場合、個別の部品を交換することで義足全体を長く使い続けることができます。

軽量で実用的:日常的な移動や活動を重視する方に適しており、装着時の負担が少ないのが特徴です。
例えば、アクティブな生活を送りたい方や、成長期の子どもには、このタイプがよく採用されます。
成長に応じて部分的な調整や交換が容易な点がメリットです。

  1. 殻構造義足
    殻構造義足は、実際の身体のような殻状の構造で作られています。
    繊維強化プラスチックが義足部分を支えるため、外観がスムーズで強固な設計です。

    この構造の特徴は以下の通りです

見た目の自然さ:殻構造で覆われているため、見た目がより人間の足に近く、服を着た際に違和感が少ないです。

高い強度:頑丈な作りで、スポーツなどの激しい動きにも対応可能です。

例えば、外見を重視したい方や、スポーツを楽しむ方に適しています。

また、特殊なデザインで安定性を向上させた仕様も選ぶことができます。

義足は高額でも大丈夫!支払負担が軽減される仕組みとは?

「100万円もする義足なんて買えない…」

そう思う方も多いでしょう。

ですが、多くの場合は公的制度や保険が利用できるため、自己負担額は大幅に軽減されます

具体例1: 病気による切断の場合

がん・糖尿病・血管疾患など病気が原因で切断し義足を購入する際、費用は個人の収入に応じて決まります。


しかし、そのほとんどを国や県、市が負担するため、実際に自己負担する金額は数万円程度で済むケースが一般的です。

例えば、糖尿病や血管疾患により足を切断した場合でも、経済的な心配が少なく、適切な義足を手に入れることができます。

具体例2: 労災の場合

職場での事故により切断が必要になった場合、費用はすべて労災保険が負担します。

そのため、自己負担額はゼロです。

例えば、建設現場での作業中に事故で足を失った方でも、労災保険を利用することで最新技術を用いた義足を選ぶことが可能になります。

具体例3: 事故の場合


交通事故などによる切断では、保険会社が費用を負担するため、こちらも基本的に自己負担額はゼロとなります。

そのため、多くの方が高額な電子制御義足を選ぶ傾向にあります。

例えば、事故後に義足を必要とした方が、電子制御機能付きの義足を選び、自分の意思で動きをコントロールする便利さを手に入れるケースがあります。

このように、義足を購入する際には高額な費用がかかるものの、さまざまな助成や保険制度が利用できるため、実際の支払額は抑えられる仕組みがあります。こ

れにより、より多くの方が自身に合った義足を選択し、快適な生活を送ることが可能となっています。

みっちゃん

例えば、がんで切断したら義足の自己負担額はいくらなの?

義足パパ

いい質問!
原則1割負担だけど、義足は高額だから上限の月額3万7200円(課税世帯の場合)が購入者の負担額になるよ。

みっちゃん

それなら助かるね。1回作ったら壊れるまで一生義足は使えるの?

義足パパ

そうだね。
よっぽど壊れることはないけど、ソケットとシリコンライナーというパーツは断端の成熟で変動があるから、1年ぐらいで交換することは多いかな。他は耐用年数など踏まえて義肢装具士さんと相談して製作のタイミングを決めるよ。

よくある質問

Q. がんで切断した場合、自己負担はいくら?

原則1割負担ですが、補装具費支給制度などにより自己負担には上限があります。

例えば一般的な課税世帯では、月額37,200円が自己負担上限となるケースがあります(制度や所得区分によって異なります)。

そのため、100万円近い義足でも実際の自己負担は大きく抑えられます。

Q. 義足は一度作れば一生使えますか?

義足本体は長く使えますが、ソケットやシリコンライナーは断端の変化に合わせて交換します。(1年に1回)

特に切断後1年程度は断端の形が変化しやすいため、調整や再製作が必要になることも珍しくありません。

また、膝継手や足部にも耐用年数がありますので、義肢装具士と相談しながら交換時期を決めていきます。

義足パパ

義足パパも1年に1回ソケットとシリコンライナーは交換するから、毎年37,200円発生するよ。体重管理は特に気を付けてね。

まとめ

義足には、

  • 股義足
  • 大腿義足
  • 下腿義足

の3種類があり、それぞれ価格や特徴が異なります。

価格は約20万円〜150万円以上と高額ですが、補装具費支給制度や労災保険、自賠責保険などを利用できるため、多くの方は自己負担を大きく抑えて義足を作ることができます。

そして何より大切なのは、「どの義足を選ぶか」ではなく、「自分に合った義足を選ぶこと」です。

一人で悩まず、医師・理学療法士・義肢装具士と相談しながら、自分の生活や目標に合った義足を選んでください。

私自身も大腿義足で生活し、仕事や子育て、講演活動を続けています。

義足だからできないことより、義足でもできることはたくさんあります。

この記事が、これから義足と歩み始める皆さんの不安を少しでも軽くできれば幸いです。

義足パパ
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