「障害があっても、健常者と恋愛や結婚はできるの?」
そんな疑問や不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
障害があると、「自分と付き合ってくれる人はいるのかな」「結婚したら相手に負担をかけてしまうのでは?」「相手の家族に反対されないかな」「子どもを持つことはできるのかな」など、恋愛や結婚についてさまざまな不安を感じることがあります。
一方で、健常者の方も「障害のある人と付き合ったら、どんなことに気をつければいい?」「結婚生活は大丈夫?」と悩むことがあるかもしれません。
私は、右脚を切断し、現在は大腿義足で生活している「義足パパ」です。
義足になった後も恋愛をし、結婚し、子どもを育てながら、会社員として働き、家族との時間を楽しんでいます。
私の周りにも、両足が義足の方や車椅子を使って生活している方で、健常者の方と結婚し、家庭を築いている人がいます。
もちろん、義足だからこそ不便に感じることや、家族に支えてもらうこともあります。
それでも、私は今、家族と一緒に過ごす毎日を「幸せ」だと感じています。
この記事では、障害者と健常者のカップルの恋愛や結婚について、障害者本人の視点から、結婚前に感じる不安、家族の反応、結婚生活、子育て、周囲の目などについて、私自身の実体験を交えながら紹介します。
「障害があるから、恋愛や結婚を諦めなければいけない」
私は、そんなことはないと思っています。
障害の有無ではなく、「この人と一緒にいたい」と思える相手と出会い、お互いを理解しながら人生を歩んでいく。
この記事が、障害があり恋愛や結婚に悩んでいる方、そして障害のある方との結婚を考えている方にとって、少しでも勇気やヒントになれば嬉しいです。
障害者と健常者のカップルは結婚できる?
結論からお話しすると、障害者と健常者のカップルは問題なく結婚できますし、幸せな家庭を築くことができます。
私自身、骨肉腫の治療を経験し、33歳で右脚を切断して大腿義足になった当事者ですが、現在は妻と子どもたちとともに、笑顔の絶えない毎日を送っています。
「障害があるから結婚は無理かもしれない」「相手に負担をかけてしまうのではないか」と悩んでいる方は少なくありません。
しかし、実際に結婚生活を送っている立場から言わせていただくと、障害があること自体が結婚の決定的な障害になることはありません。

障害があっても恋愛や結婚を諦める必要はない
自分に障害があると、「好きな人ができても自分からはアプローチできない」「相手の人生を背負う覚悟がない」と、恋愛や結婚を端から諦めてしまいがちです。
しかし、世の中には障害を受け入れ、一人の人間として愛してくれるパートナーがたくさんいます。
身体的なハンディキャップがあっても、人に惹かれ、愛し合い、人生を共に歩みたいと思う気持ちは誰にとっても共通の権利です。
障害を理由に、はじめから自分の幸せにブレーキをかける必要はまったくありません。
障害者と健常者が結婚することは特別なことではない
メディアやSNSでは、障害者と健常者の結婚が「美談」や「感動的なストーリー」として扱われることがあります。
しかし、当事者である私たちからすれば、日々の暮らしはごく普通のカップルと変わりません。
好きになった相手がたまたま障害を持っていた、あるいは好きになった相手が健常者だったというだけの話です。
周囲が思うほど「特別な決断」をして結婚しているわけではなく、お互いの人柄に惹かれ合った結果として結婚を選んでいます。
結婚生活で大切なのは「障害の有無」だけではない
結婚生活を長続きさせるために本当に必要なのは、障害の有無だけではありません。
「価値観の違いをどう乗り越えるか」「感謝や思いやりを持ち続けられるか」「困ったときにきちんと話し合えるか」といったことが、夫婦生活では大切になります。
どんなに健康な夫婦であっても、性格の不一致や価値観の違いで離婚することはあります。
逆に、障害があってもコミュニケーションを密にし、お互いを尊重し合えていれば、夫婦関係は非常に良好に保たれます。
障害者本人が結婚に不安を感じる理由
障害を持っている本人が結婚に対して一歩を踏み出せない最大の理由は、「自分と一緒にいることで相手を不幸せにしてしまうのではないか」という申し訳なさです。
「デートの行き先が制限される」「将来、介護の負担をかけるかもしれない」「自分の家族や相手の親にどう思われるか怖い」といった不安が頭をよぎり、自分から心を閉ざしてしまうケースが多く見られます。
でも、そこで最初から「自分には無理」と決めつける必要はありません。
私の周りにも障害者と健常者で結婚している人がいる
私自身が義足になってから、さまざまな障害当事者の方と出会うようになりました。
その中には、私と同じように義足で生活している方だけでなく、両足が義足の方や、車椅子を使って生活している方で、健常者の方と結婚している人もいます。
そして、皆さんが「障害があるから」と人生を諦めているわけではありません。
仕事をしたり、スポーツを楽しんだり、旅行に出かけたり、SNSで発信したり、地域活動や講演活動をしたりと、それぞれが自分らしい方法で積極的に社会と関わっています。
両足義足+片腕欠損の山田千紘さんも健常者の女性と結婚
私が「障害があっても恋愛や結婚を諦める必要はない」と伝えたい理由の一つに、実際に私の周りや社会で活躍している障害当事者の存在があります。
その一人が、両足義足で生活する山田千紘さんです。
山田さんは20歳のときに電車事故に遭い、右手と両足を失いました。
その後、両足に義足を装着し、右腕には義手を使いながら生活されています。
そんな山田さんは2024年、結婚したことを公表しました。
結婚相手について山田さんは、献身的に支えてくれる素敵な女性だと紹介しています。
このエピソードからも分かるように、障害者だから恋愛や結婚ができない、ということではありません。
もちろん、義足で生活する中では、移動や日常生活で工夫が必要な場面もあります。
それでも山田さんは、障害があることを理由に人生を諦めるのではなく、仕事やSNS、YouTubeなどを通して自分の経験を発信しています。
過去には、両足義足で全国各地を旅する企画にも取り組んでいます。
「両足義足だから何もできない」のではなく、「どうすればできるのか」を考えながら、自分らしく人生を楽しんでいるのです。
私自身も大腿義足で生活していますが、山田さんのような当事者の姿を見ると、「障害があるから人生の選択肢が狭くなる」と決めつける必要はないと感じます。
恋愛も、結婚も、仕事も、旅行も、趣味も、その人なりの方法で楽しむことができます。

義足でも健常者と結婚している人がいる
両足が義足の方を見ると、「日常生活は大変なのでは?」と思う人もいるかもしれません。
もちろん、生活の中で工夫が必要な場面はあります。
しかし、私の周りには両足義足でありながら、仕事や趣味、外出などを楽しみ、健常者の方と恋愛をして結婚している方がいます。
障害があることだけで、その人の人生や恋愛の可能性が決まるわけではありません。
様々な障害者の方でも健常者と結婚している人がいる
山田千紘さんだけではありません。
私の周りにも、両足義足の方や、車椅子を使って生活している方で、健常者の方と恋愛をし、結婚している人がいます。
障害の程度や生活環境は一人ひとり違います。
そのため、「障害があればこういう生活になる」と一括りにすることはできません。
それでも共通していると感じるのは、障害だけを理由に自分の人生を諦めていないことです。
仕事をしたり、スポーツをしたり、旅行をしたり、SNSで発信したり、モデル活動や講演活動をしたり。
それぞれが自分のできる方法で、積極的に社会と関わっています。
障害があっても積極的に活動している人たち
私が障害当事者の方々と交流するようになって感じたのは、「障害者=何もできない」「障害者=家にいる」というイメージとは違うということです。
実際には、
- 仕事をしている
- スポーツを楽しんでいる
- 旅行をしている
- 恋愛や結婚をしている
- 子育てをしている
- SNSで発信している
- モデルとして活動している
- 講演活動をしている
など、さまざまな場所で活躍している人がいます。
山田千紘さんも、その一人です。
そして、私自身も義足になった後、家族との生活を楽しみながら、会社員として働き、学校などで講演活動をしています。

障害ではなく「その人自身」を見ることが大切
恋愛や結婚で大切なのは、「障害者だから」「健常者だから」という区別ではありません。
その人がどんな人なのか。
どんなことを大切にしているのか。
一緒にいて楽しいのか。
困ったときに支え合えるのか。
そして、「この人と一緒に人生を歩んでいきたい」と思えるのか。
大切なのは、障害ではなくその人自身を見ることなのではないでしょうか。
障害者と健常者の恋愛でよくある悩み

相手に障害を理解してもらえるか不安
「自分の障害について、どこまで詳しく話すべきか」「引かれてしまわないか」という不安は、恋愛初期に誰もが抱く悩みです。
特に外見から分かりにくい障害や、日常生活で突発的なサポートが必要になる障害の場合、伝えるタイミングに悩むことでしょう。
しかし、本気であなたに向き合おうとしている相手なら、説明すれば理解しようと努めてくれます。
大切なのは、隠さずに自分の状態や「何ができて、何ができないのか」を正確に伝える姿勢です。
相手の家族に反対されないか心配
交際が順調に進んでも、結婚を意識し始めた段階で気になるのが「相手のご両親や親族への挨拶」です。
「娘や息子を苦労させるのではないか」と反対されるかもしれないという不安を感じる人もいます。
ただ、最初は不安を感じていた家族も、実際に本人と会い、仕事や生活の様子を知ることで、考え方が変わることがあります。
将来の生活や介護が不安
「年齢を重ねたとき、自分の障害が悪化したらどうなるのか」「パートナーに介護の負担がすべていってしまうのではないか」という将来への不安もあります。
老後や病気のリスクは健常者同士でも存在します。
障害がある場合は、より具体的に考える必要がありますが、必要に応じて福祉サービスや周囲のサポートを利用することもできます。
子どもを持てるのか気になる
「子どもを授かることができるのか」「自分に子育てができるのか」と悩む人もいます。
障害の種類や身体の状態によって事情は異なるため、医学的なことについては医師などの専門家に相談することが大切です。
一方で、身体障害があるからといって、必ずしも子育てができないわけではありません。
実際に障害のある親として子どもを育てている人はたくさんいます。
周囲からどう見られるのか気になる
二人で街を歩いているときや、親戚の集まりに参加したときなど、「周囲からの視線」が気になることもあります。
「かわいそうな夫婦」「介助している優しいパートナー」といった見方をされることに違和感を持つ人もいるでしょう。
しかし、本人たちにとっては、ただ一緒に歩いている夫婦です。
外から見たイメージと、実際に二人が感じている幸せは必ずしも同じではありません。
「自分と付き合って大丈夫?」と考えてしまう
デート中に相手が歩くペースを合わせてくれたり、荷物を持ってくれたりすると、感謝すると同時に「自分と付き合っているせいで自由を奪っていないか」と考えてしまうことがあります。
しかし、恋愛や結婚は一方的に支える・支えられる関係ではありません。
お互いにできることを持ち寄り、支え合うものです。
障害者と健常者のカップルが結婚するときに考えておきたいこと

日常生活で困ることをお互いに理解する
結婚前に、日常生活のどんな場面でサポートが必要なのか、どんな環境であれば一人で問題なく動けるのかを共有しておくことが大切です。
例えば、
- 段差がある場所は歩きにくい
- 長時間歩くと疲れやすい
- 階段よりエレベーターを利用したい
- 外出先では休憩できる場所が必要
など、具体的に伝えておくと結婚後のすれ違いを減らせます。
家事や育児をどう分担するか
夫婦の家事・育児分担において大切なのは、「一般的な夫婦の形」に固執しないことです。
一方が障害を抱えている場合、一般的な分担(例えば男が外で働き、女が家事をする、あるいは力仕事は夫がやる等)が当てはまらないことも多くあります。
「立てないけれど、座ってできる料理や食器洗いは担当する」「外での抱っこは難しいけれど、家の中での絵本の読み聞かせや寝かしつけはやる」など、お互いの体の状態に合わせた柔軟なルールを作ることが成功の鍵です。
仕事と家庭をどう両立するか
働き方についても、お互いの体調やキャリアプランに合わせて話し合う必要があります。
障害の状況によっては、フルタイム勤務が難しい場合や、在宅ワークを中心にせざるを得ない場合もあります。
世間の「こうあるべき」に囚われず、どちらがどのくらい働き、どのように家庭の時間を確保するのかを、二人にとって最適なバランスでデザインしていく意識が重要です。
将来、障害の状態が変わったらどうするか
加齢に伴って障害の症状が進行したり、別の二次障害が発生したりする可能性も考慮しておく必要があります。
万が一、体の状態が変化した際に「どのような外部サービス(訪問介護や福祉用具)を利用するか」「住まいをバリアフリー改修するか」といった選択肢を頭に入れておくことで、急な変化にも落ち着いて対応できます。
お金や社会保障について話し合う
障害年金や医療費の助成制度、障害者手帳による各種割引など、利用できる社会保障制度について夫婦で正しく理解しておくことが大切です。
経済的な不安を減らすためには、利用できる制度をフルに活用し、現実的なマネープランを二人で立てておくことが安心につながります。
お互いに「できること」を大切にする
夫婦生活において、「できないこと」ばかりに目を向けると、どうしても障害者側が肩身の狭い思いをし、健常者側が疲弊してしまいます。
夫婦によってできること・できないことは違って当たり前です。
足が不自由でも話を聞くのが得意ならパートナーの精神的支えになれますし、手が不自由でもパソコン作業で家計を管理することはできます。
「自分ができること」にスポットライトを当て、お互いに貢献し合う関係を作ることが大切です。
障害者と健常者の結婚に家族は反対する?
親が心配するのは「障害」そのものとは限らない
結婚を報告した際、親から心配されたり、反対されたりすることもあるかもしれません。
しかし、親が心配しているのは、「障害そのもの」ではなく、「我が子が将来苦労するのではないか」という気持ちからかもしれません。
相手の家族の不安も、最初から敵意と考えるのではなく、時間をかけて理解してもらうことが大切です。
相手の家族に伝えておきたいこと
反対や不安を和らげるためには、曖昧にせず具体的な事実と対策を伝えることが効果的です。
- 現在の仕事内容と安定した収入があること
- 日常生活で何が自分でできて、どこに手助けが必要か
- 福祉サービスや公的支援をどのように活用する予定か
- 万が一のトラブルの際に、どのようなサポート体制を考えているか
これらを誠実に説明することで、「しっかり将来を考えている」という信頼を得ることができます。
結婚前に家族同士で話しておきたいこと
結婚前に、お互いの家族を含めて話す機会を作ることもおすすめです。
実際に会って話すことで、「障害者」という一面的なイメージではなく、「一人の人間」として知ってもらうことができます。
反対されたときに大切にしたいこと
もし最初に反対されたとしても、すぐに感情的になる必要はありません。
親にとっても、未知のことを受け入れるには時間が必要です。
二人が実際に仲良く生活している姿を見せながら、少しずつ理解してもらうことも一つの方法です。
障害者と健常者の結婚生活はどんなもの?
義足になってから結婚生活はどう変わった?
私自身、義足になってからの生活は、確かに「不便なこと」が増えました。
33歳で足を失った当時は、「これまでの夫婦の形が崩れてしまうのではないか」という強い恐怖がありました。
しかし、実際に義足での生活が始まってみると、夫婦の絆は以前よりもむしろ深まりました。
お互いの存在のありがたさを再認識し、当たり前の日常がいかに尊いかを感じられるようになったからです。
不便さは増しましたが、不幸になったと感じたことは一度もありません。

妻との関係で大切にしていること
妻との関係で大切にしているのは、「ありがとう」をきちんと言葉にすることです。
義足で生活していると、妻に助けてもらう場面もあります。
だからこそ、「やってもらって当たり前」と思わず、感謝を伝えることを大切にしています。
そして、妻が疲れているときには、自分ができることをする。
一方的に支えてもらうのではなく、夫婦で支え合うことを意識しています。
家事や育児はどうしている?
我が家でも、義足だからできないことはあります。
だからといって、何もしないわけではありません。
自分ができる家事をしたり、子どもの宿題を見たり、家の中でできることを担当したりしています。
育児も同じです。
子どもと話をしたり、一緒に遊んだり、宿題を見たり、悩みを聞いたり。
「足が不自由だからできない」と考えるのではなく、「自分にできる方法で参加する」ことを大切にしています。
子どもたちは義足のパパをどう見ている?
我が家の子どもたちにとって、パパが義足であることは特別なことではありません。
義足を見て「かわいそう」と考えるのではなく、「パパの足」として自然に受け入れています。
時には「パパ、義足かっこいい!」と言ってくれたり、義足について興味を持って質問してくれたりすることもあります。
子どもたちの素直な言葉を聞いていると、大人が勝手に作ってしまう「障害者=かわいそう」というイメージについて考えさせられます。

家族で出かけるときに困ること
家族で出かけるときには、事前に施設の情報を調べることがあります。
エレベーターがあるか、駐車場から目的地までどのくらい歩くのか、階段が多くないかなどを確認することもあります。
もちろん、諦めなければならない場所もあります。
でも、「できないから終わり」ではありません。
「じゃあ別の場所に行ってみよう」と家族で考えればいい。
それでも家族で過ごす毎日が幸せな理由
制限があるからこそ、家族みんなで工夫して乗り越えたときの達成感や喜びは倍増します。
「車椅子対応のルートを見つけて無事に観光できた」「パパが座ったままできる楽しいゲームを開発した」など、ちょっとした出来事が家族の思い出になります。
家族の幸せを決めるのは、体の自由さではなく、心がつながっているかどうかです。
笑顔で食卓を囲み、今日あったことを話し合える毎日があるだけで、私は心から幸せだと感じています。
障害者と健常者の夫婦に子どもは持てる?

障害があっても子どもを持つことはできる?
結論として、障害があっても子どもを持ち、しっかりと育てていくことは十分に可能です。
もちろん、障害の種類や程度(内臓疾患、精神障害、遺伝性疾患など)によって、医学的なアプローチや準備すべき環境は異なりますので、主治医や専門医としっかり相談することが大前提となります。
しかし、「身体障害があるから子育てができない」ということは決してありません。
世の中には多くの障害当事者が親となり、愛情いっぱいに子どもを育てています。
子育てで大変だったこと
実体験として大変だったのは、子どもが乳幼児期の「急な飛び出しへの対応」や「夜泣きの際の抱っこ移動」です。
義足をつけていない寝起き時に、子どもが泣き出したときのスピーディーな対応には工夫が必要でした。
そうした大変さは、ベビーゲートを多めに設置して安全圏を確保したり、室内ではキャスター付きの椅子を活用して移動したりと、アイデアと道具で乗り越えてきました。
子どもに障害についてどう伝える?
子どもへの説明で悩む親御さんは多いですが、隠したり重く受け止めさせたりする必要はありません。
我が家では、子どもが言葉を理解し始めた頃に「パパは怪我をして足が小さくなっちゃったから、ロボットの足をガチャンってつけて歩いているんだよ」と分かりやすく伝えました。
ありのままをオープンに伝えることで、子どもも「そういうものなんだ」と自然に理解してくれます。
子どもから見た「障害のある親」
子どもは親の障害を「不幸の象徴」としては見ません。
他の親と比べて劣っていると感じることも、適切な信頼関係が築けていればありません。
むしろ、親が障害を持ちながらも前向きに生きている姿を見ることで、「人はみんな違って当たり前」「困っている人がいたら助けるのが普通」という感覚が自然と身につくケースが多いと感じます。
障害がある親だからこそ伝えられること
障害を持つ親だからこそ、子どもに教えられる貴重な学びがたくさんあります。
- 「思い通りにいかないことがあっても、工夫すれば乗り越えられる」という強さ
- 「見た目や体の違いで人を判断しない」という多様性への理解
- 「助けを求めることは恥ずかしいことではない」という素直さ
完璧な親である必要はありません。
自分の弱さを見せつつ、一生懸命生きる姿を見せることが、子どもにとって一番の教育になると信じています。
障害者の恋愛・結婚で大切なのは「かわいそう」ではなく「好き」という気持ち

「障害があるから付き合う」のではない
恋愛や結婚において、最も避けるべきなのは同情や使命感で一緒にいることです。
「障害があって可哀想だから支えてあげなきゃ」という気持ちからスタートした関係は、長続きするとお互いにとって負担になります。
惹かれ合う理由は、相手の優しさ、面白さ、価値観の魅力など、一人の人間としての魅力であるべきです。
障害は、その人の持つ「多くの特徴の中の一つ」に過ぎません。
「かわいそうだから結婚する」わけではない
結婚も同様です。「私が支えてあげなきゃこの人は生きていけない」という関係性は、対等な夫婦関係とは言えません。
結婚はお互いを高め合い、共に人生を楽しむためのパートナーシップです。
健常者側も「この人と一緒にいると自分が幸せだから」という理由で結婚を選ぶことが、双方にとっての救いになります。
障害があっても一人の男性・女性として恋愛する
障害者側も「自分は障害者だから」と卑屈になるのをやめましょう。
恋愛の場においては、一人の魅力的で対等な男性・女性として振る舞うことが大切です。
身だしなみを整え、相手の話に耳を傾け、デートを楽しむ。そ
の当たり前の恋愛感情を自分自身に許可してあげてください。
障害ではなく、その人自身を見ること
パートナーを選ぶときも、選ばれるときも、「障害があるかないか」というフィルターを一度外してみることが大切です。
その人の性格、笑顔、人生観を好きになれたのであれば、後からついてくる課題(障害による不便さ)は二人で協力して解決していけます。
「不便だけど不幸じゃない」という考え方
障害があると、確かに不便なことはあります。
歩くのが大変だったり、階段を利用できなかったり、外出先を選ばなければならなかったりすることもあります。
でも、
「不便」と「不幸」は同じではありません。
義足で生活していても、車椅子で生活していても、家族と笑い、恋愛をし、結婚をし、仕事をし、旅行をし、自分らしい人生を楽しむことはできます。
障害者と健常者の恋愛・結婚に必要なのは「特別扱い」ではない

できないことは助け合えばいい
夫婦生活において、できないことがあるのは障害者だけではありません。
料理が苦手な人、掃除が苦手な人、機械が苦手な人など、人にはそれぞれ得意・不得意があります。
障害による「できないこと」も、その一つとして考えればいいのです。
できることは自分でする
障害者側がパートナーの優しさに甘えきり、自分ができることまで任せてしまうと、関係性が崩れていきます。
「手助けが必要な部分」と「自分一人でできる部分」を明確にし、できることは自分で行う自立の姿勢を持つことが、パートナーへの敬意となります。
お互いに無理をしすぎない
健常者側が「自分がしっかりしなければ」と気負いすぎると、いつか燃え尽きてしまいます。
また、障害者側も「迷惑をかけまい」と無理をして体調を崩しては元も子もありません。
お互いに自分の限界を認め、肩の力を抜いて生活することが長続きのコツです。
困ったときに「助けて」と言える関係
素直にヘルプを出せる関係性を築くことも重要です。
「これくらい我慢しよう」と溜め込むのではなく、「今ちょっと体がきついから手伝ってほしい」「心が疲れたから話を聞いてほしい」と素直に言える風通しの良さが、夫婦の絆を強くします。
夫婦だからこそ対等でいること
「支える人」と「支えられる人」に分かれるのではなく、夫婦として対等でいる。
障害があっても、一人の夫、一人の妻として意見を言い、人生の選択を一緒にする。
それが大切だと思います。
障害者と健常者のカップルが幸せな結婚生活を送るための5つのポイント

障害について隠さず話す
自分の障害の症状、将来のリスク、できること・できないことを隠さずオープンに話し合いましょう。
正しい情報共有が、相手の無用な不安を取り除きます。
将来について話し合う
住まい、仕事、子ども、親との付き合い方など、将来のライフプランについて具体的に議論しておきましょう。
壁にぶつかった時の対処法をあらかじめ二人で考えておくことで、安心感が生まれます。
お互いの得意・不得意を理解する
障害の有無に関わらず、お互いの得意なこと・不得意なことをリストアップし、補い合える関係を作りましょう。
お互いの存在がパズルのピースのように噛み合う感覚を持つことが大切です。
「障害者だから」という思い込みを捨てる
「障害者だからこんなことはできない」「障害者の妻だから我慢しなければならない」といった思い込みや先入観を捨てましょう。
自分たちだけの新しい夫婦の形を作ればいいのです。
一緒にいる時間を楽しむ
一番大切なのは、二人が笑顔で過ごす時間を目一杯楽しむことです。美味しいものを食べる、趣味を楽しむ、くだらないことで笑い合う。
その積み重ねが、何物にも代えがたい強い家族の絆を作ります。
義足パパが伝えたい「障害者でも幸せになれる」ということ
私は、17歳のときに骨肉腫と診断され、長い治療生活を経験しました。
そして33歳で右脚を切断し、大腿義足で生活するようになりました。
足を失ったとき、
「これからどうなるんだろう」
「今までのような人生は送れないのではないか」
そんな不安を感じました。
でも、私は結婚しました。
妻と出会い、家族をつくり、子どもたちにも恵まれました。
現在は会社員として働きながら、家族で旅行やスポーツ観戦などにも出かけています。
そして、自分の経験を伝えるため、学校や地域などで講演活動もしています。
毎日、本当に楽しく幸せです。
もちろん、義足になって不便になったことはたくさんあります。
できないこともあります。
悔しい思いをすることもあります。
それでも、
「不便だけど、不幸じゃない」
これは私が義足になってから強く感じていることです。
私だけではありません。
私の周りにも、両足が義足の方、車椅子を使っている方など、障害がありながら健常者と結婚し、仕事やスポーツ、旅行、趣味、発信活動などを楽しんでいる人がいます。
障害があるから人生を諦めるのではなく、
「どうすれば自分らしく生きられるか」
を考えて行動している人たちです。
私は、そんな姿を見てきたからこそ、障害があることで恋愛や結婚を諦めてほしくないと思っています。

まとめ|障害者と健常者の恋愛・結婚に正解はない
障害者と健常者のカップルにおいて、「こうしなければならない」という正解はありません。
世間の目や一般的な常識に振り回される必要もありません。
大切なのは、「障害者だから結婚できるか・できないか」ではなく、
「あなたが、目の前のこの人と一緒に人生を歩んでいきたいか」
という気持ちではないでしょうか。
私の周りには、両足義足の方や車椅子ユーザーの方で、健常者と恋愛をし、結婚し、家庭を築きながら、自分らしく積極的に活動している人たちがいます。
私自身も、義足になった後に結婚し、子どもたちと一緒に毎日を過ごしています。
障害があるから、恋愛できない。
障害があるから、結婚できない。
障害があるから、幸せになれない。
そんなことはありません。
もちろん、不便なことはあります。
でも、不便だからといって不幸とは限りません。
大切なのは、障害の有無ではなく、お互いを一人の人間として尊重し、支え合いながら、一緒に人生を楽しんでいくことです。
この記事が、障害があり恋愛や結婚に悩んでいる方、そして障害のある方との恋愛や結婚を考えている方にとって、少しでも勇気やきっかけになれば嬉しいです。
義足パパへの講演会・執筆のご依頼について
義足パパは、全国の小中学校、高校、企業、自治体などで、「障害理解」「共生社会」「人権」「あきらめない心」「家族の幸せ」などをテーマに講演活動を行っています。
実際に義足で生活し、仕事をしながら家族と暮らしている当事者だからこそ伝えられる、リアルな経験があります。
「当事者の生の声を子どもたちに聞かせたい」
「障害について考えるきっかけを作りたい」
「共生社会について学ぶ機会を作りたい」
そんな学校・企業・自治体・団体の皆さまからの講演依頼をお待ちしています。
講演会や出前授業については、お気軽にお問い合わせください。


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