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出前授業で話題の義足パパに学ぶ、障がい理解と多様性を育む授業づくり

義足パパの出前授業が気になって、このページを開いたあなたは、障がい理解やいじめ防止、キャリア教育を、一過性の行事ではなく、子どもたちの心に残る学びとして届けたいと考えているのではないでしょうか。

「障がいの話をすると、どうしても“かわいそう”で終わってしまう」
「多様性や思いやりを、きれいごとではなく実感として伝えたい」
そんな悩みを抱える教育現場で、義足パパの出前授業は多くの学校に選ばれてきました。

義足パパ

義足パパへの出前授業・講演会依頼大募集しています!

義足パパの出前授業では、義足の仕組みや生活の工夫、仕事や子育てのリアルなエピソードを通して、子どもたちが障がいを「特別なもの」ではなく、身近にある多様性の一つとして捉え直していきます。


その中で価値観は、「かわいそう」から「すごい」「かっこいい」へ、さらに「自分だったらどうするか」を考える視点へと自然に広がっていきます。

本記事では、義足パパとはどのような人物なのか、出前授業でどんなメッセージが子どもたちに届いているのかを整理しながら、道徳科・総合的な学習の時間・キャリア教育など、学校現場でどう活用できるのかを具体的に解説します。

初めて外部講師を招く先生や保護者の方でもイメージしやすいよう、授業の流れや準備のポイント、依頼時に確認しておきたい点までまとめています。

「この授業なら、子どもたちに本当に伝えたいことが伝えられる」
そう感じていただけるような視点で、義足パパの出前授業の魅力をお伝えします。


目次

出前授業で話題の義足パパとは誰か

「出前授業で話題の義足パパ」とは、右脚の切断を経験し義足で生活しながら、全国の学校や地域で講演や出前授業を行っている義足ユーザーで二児の父でもある大塚一輝さんの愛称です。自身の経験をもとに、「障がい」「病気」「家族」「仕事」「子育て」といったテーマを子どもたちにも分かりやすく語り、義足のリアルと多様性を前向きに伝える活動を続けています。大塚さんは、ブログ「義足パパの歩み」を運営し、講演・出前授業の情報発信や日常の気づきを広く共有しています。

出前授業の現場では、子どもたちから「義足ってこわい」「かわいそう」というイメージを取り除き、「義足ってかっこいい」「障がいがあっても自分らしく生きられる」という価値観の転換を促すことを大切にしています。そのメッセージ性と親しみやすい人柄から、新聞・テレビ・ウェブメディアでもたびたび取り上げられ、「義足パパ」という呼び名が全国に広がりつつあります。

義足パパが出前授業で伝えていること

義足パパの出前授業の中心にあるのは、「不便だけど不幸じゃない」という、障がいと共に生きる前向きな価値観です。病気による足の切断やリハビリのつらさだけでなく、その過程で支えてくれた家族や仲間の存在、義足と出会ってからできるようになったことなどを、ユーモアを交えながら具体的なエピソードとして語ります。子どもたちは「困難=不幸」ではないという視点を学び、「できない」で終わらせず「どうしたらできるか」を考える姿勢の大切さに気づいていきます。

また、義足そのものへの理解を深めるために、義足の構造や重さ、価格といったテーマをクイズ形式で紹介したり、実物を実際に見たり触ったりする活動も取り入れています。小学校で行われた出前授業では、児童が義足を持ち上げながら「思ったより重い」と驚いたり、「曲がるんだ」と構造に関心を寄せたりする場面が報じられました。大塚さんはその授業で、「義足はただの歩く道具ではなく、自分に特別な力をくれる相棒」と語り、義足を「かわいそう」の象徴ではなく「かっこいい」「すごい」と感じてもらうことをめざしていると伝えています。

さらに、出前授業では「障がいのある人にどう声をかければよいか」「困っている人を見かけたときにどんな行動ができるか」といった、日常生活に直結するテーマも扱います。単に義足や病気の話を聞くだけでなく、子どもたち一人ひとりが、自分の学校や地域で「やさしさ」を行動に移すきっかけを持てるようにすることが、義足パパの出前授業の大きなねらいです。

義足パパのプロフィールとこれまでの活動

ここでは、義足パパこと大塚一輝さんのプロフィールと、これまでの主な活動を整理します。

項目内容
名前・愛称大塚 一輝(おおつか かずき)/「義足パパ かず」
生年・出身1989年生まれ、岐阜県岐阜市出身
家族看護師の妻と二人の子どもを持つ父親として、子育てと仕事、講演活動を両立
病気と切断の経緯17歳のときに骨肉腫を経験し、その後も治療を続けるなかで、34歳のときに右脚を膝上から切断。現在は大腿義足で生活
主な肩書「義足パパの歩み」運営者/「義足の未来を変える会」代表
主な活動ブログやSNSによる情報発信、全国の学校・自治体・企業等での講演・出前授業、義足ユーザーや家族への相談対応、メディア出演
特徴的な取り組み義足のリアルを伝える出前授業、京都芸術大学との「義足×ファッション」のコラボレーション、「義足の未来を変える会」を通じた制度改善や政策対話など

大塚さんは、10代で骨肉腫という重い病気に直面し、20代・30代を通じて入退院や治療を繰り返すなかで、最終的に右脚の切断を決断しました。その後、大腿義足での生活に慣れる過程で、仕事や子育てにどのような困難があるのか、どんな工夫で乗り越えてきたのかをブログや講演で発信し続けています。公式サイトでは、義足の種類や価格、リハビリ、転職・婚活・子育てなど、多様なトピックが紹介されており、同じような境遇の人や医療・教育関係者にとって貴重な情報源となっています。

2020年代以降は、「義足の未来を変える会」の代表として、義足ユーザーを取り巻く制度や環境の課題を可視化し、「義足であってもあたりまえに暮らせる社会」をめざした啓発・政策提言の活動も展開しています。京都芸術大学との協働で「義足×ファッション」の可能性を探るプロジェクトに取り組むなど、福祉とデザイン・文化をつなぐチャレンジも行っています。こうした活動は、義肢装具士不足や支給制度の壁といった構造的な課題に光を当てる役割も担っています。

テレビや新聞などでの紹介と反響

義足パパの活動は、これまでにテレビや新聞、ウェブメディアなど多くの媒体で紹介されています。自身のサイト「義足パパの歩み」では、NHKの特集番組で取り上げられたことが報告されており、義足での生活や家族との日常、出前授業の様子が全国に向けて放送されました。番組を通じて、「義足ってこんなに自然なんだ」「家族と笑って暮らしている姿が印象的だった」といった視聴者の声が寄せられ、障がいへのイメージが変わったという反響も少なくありません。

地方局や新聞でも、義足パパの出前授業の様子が数多く報じられています。岐阜放送(ぎふチャン)のニュースでは、岐阜県羽島市立正木小学校で行われた授業を紹介し、子どもたちが義足に触れながら理解を深める姿や、「義足はかわいそうではなく、かっこいいと思ってほしい」という大塚さんのメッセージが伝えられました。こうした報道により、「義足=特別なもの」ではなく、地域でともに学び暮らす身近な存在として受け止めるきっかけが広がっています。

また、福祉と仕事・暮らしをテーマとするウェブマガジンfindgoodでは、岐阜県垂井町で開催された「人権フォーラム」での講演の様子が詳しく紹介されています。記事では、「不便だけど不幸じゃない」という講演タイトルのもと、「できない」ではなく「どうやったらできるか」を考えることや、自分らしく生きることの大切さが語られたと報告されています。このようなメディアでの取り上げは、学校現場だけでなく地域社会全体に、義足パパのメッセージを届ける大きな後押しとなっています。

出前授業で義足パパが語る障がい理解のポイント

出前授業で招かれる義足パパの話は、単なる体験談ではありません。授業の中で、子どもたちは「障がいはかわいそうなことではなく、一人ひとりの違いの一つであり、多様性として尊重されるべきもの」であることを、実際の生活や感情の変化を通して学んでいきます。この章では、義足になるまでの経緯と心の変化、義足での生活と仕事・子育てのリアル、そして「かわいそう」から「かっこいい」へと価値観を転換させる伝え方について整理します。

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義足になるまでの経緯と心の変化

義足パパの出前授業ではまず、「なぜ義足になったのか」という事実の説明だけでなく、その過程でどのような感情の変化があったのかが丁寧に語られます。事故や病気の名前をセンセーショナルに強調するのではなく、「入院」「手術」「リハビリ」といったプロセスを、子どもが理解できる言葉で扱うことが特徴です。そのうえで、「怖かった」「悔しかった」「あきらめそうになった」といったネガティブな気持ちと、「支えられてうれしかった」「少しずつできることが増えた」というポジティブな気持ちの両方を紹介し、心の動きのリアルを伝えます。

教師はここで、単に「大変だったね」と感想をまとめるのではなく、気持ちが変化していく過程そのものが、レジリエンス(困難から立ち直る力)や自己肯定感を学ぶ教材になることを子どもたちと一緒に整理していきます。特に高学年や中学生では、「もし自分だったらどう感じるか」「自分のこれまでのつらかった経験と比べて考えるとどうか」といった対話的な活動を取り入れることで、当事者の経験を自分事として捉えられるようになります。

また、義足パパが「できなくなったこと」ではなく、「周りの人に助けてもらいながら工夫すればできるようになったこと」をセットで伝えることで、障がいを「欠けているもの」としてではなく、環境や周囲の配慮によって可能性が広がる状態として理解する視点が育ちます。ここで、教員が「障がいは人ではなく社会の側にある」という社会モデルの考え方をかみくだいて補足すると、道徳科や総合的な学習の時間ともつながります。

タイミング主な気持ち授業でのポイント
事故・病気が起きた直後ショック、不安、怒り、現実を受け止められない気持ち「つらい感情を持つこと自体は悪くない」というメッセージを伝え、感情に良い・悪いのレッテルを貼らない。
入院・手術・リハビリの時期痛みや苦しさ、あきらめそうになる気持ちと、小さな達成感の両方「一歩だけ進めた」「今日はできなかったけれど明日またやってみる」といった小さなチャレンジの大切さに注目する。
義足での生活が始まった時期周囲の視線が気になる恥ずかしさと、新しい道具への期待と不安見た目の違いに対する素直な疑問を、差別ではなく「質問してよいこと」に変えていくきっかけにする。
現在義足のまま仕事や子育てをする中での誇りと、時に感じる葛藤「苦労がある=不幸」ではなく、「苦労も含めて自分らしく生きている」という多様な幸せのあり方を考える。

こうした心の変化を時間軸で整理して伝えることで、子どもたちは義足パパを「特別な人」ではなく、「自分と同じように悩み、迷いながらも生きている一人の大人」として捉えられるようになります。これは、インクルーシブ教育で大切にされる「一人ひとりをかけがえのない存在として見るまなざし」を育てることにも直結します。

義足での生活と仕事子育てのリアル

出前授業では、義足パパは義足そのものの仕組みや構造だけでなく、「義足で暮らす毎日の具体的な工夫」や「家族や職場との関わり方」を詳しく紹介します。子どもたちは、歩く・走る・階段を上る・自転車に乗るといった日常動作や、保育園や学校行事への参加、職場での立ち仕事やデスクワークなど、具体的な場面をイメージしながら話を聞くことで、障がいと生活のイメージを結びつけて理解できるようになります。

ここで大切なのは、「できないこと」だけを取り上げるのではなく、周囲の合理的配慮や環境整備があればできることが増えるという視点をセットで伝えることです。例えば、学校の階段に手すりがあることで移動がしやすくなること、教室内の机やいすの配置を工夫することで転倒のリスクが減ること、職場でリモートワークやフレックスタイムが認められることで通勤による負担が軽くなることなど、子どもたちが身近に感じられる具体例を取り上げます。

生活・場面困りごと・課題工夫・合理的配慮の例
通勤・通学長時間歩くと疲れやすい、階段の上り下りが負担になる。エレベーターやエスカレーターの利用、駅員への声かけ、時間に余裕をもった移動計画。
仕事長時間の立ち仕事や重い荷物の運搬が難しい。業務分担の見直し、座ってできる作業への変更、在宅勤務や時差出勤の活用。
子育て抱っこや追いかけっこが難しい場面がある。ベビーカーやだっこひもの活用、家族で役割分担、子どもと一緒にできる遊び方の工夫。
学校行事への参加運動会や遠足で長距離移動が必要になる。休憩時間を多めに取る、移動距離の短いコースを選ぶ、必要に応じて車いすを併用する。

こうしたリアルなエピソードを通して、子どもたちは「障がいのある人が頑張っているからすごい」のではなく、「周囲が協力し合える社会であれば、誰もが自分の力を発揮できる」という考え方を学びます。教員は、特別支援学級や通級指導教室、通常の学級で共に学ぶ児童生徒を例にとりながら、「何を手伝えばよいのか」「どこまで自分でやってもらうのか」を一緒に考える時間を設けると、福祉教育やキャリア教育にもつながります。

また、義足パパが仕事や子育ての中で経験した「失敗談」や「うまくいかなかった場面」もあえて共有することで、完璧でなくてもいい、失敗してもまたやり直してよいというメッセージが子どもたちに届きます。これは、発達障害や慢性疾患など目に見えにくい障がいを抱える児童生徒にとっても、自分のペースで生きることへの安心感をもたらします。

「かわいそう」から「かっこいい」へ価値観を変える伝え方

初めて義足を見た子どもたちが持つ率直な感想として、「痛そう」「かわいそう」といった言葉が出てくることは少なくありません。出前授業で義足パパは、そうした反応を否定せずに受け止めたうえで、「かわいそう」という見方から「かっこいい」「すごい」「自分もがんばりたい」といった前向きな価値観へと、子どもたちの視点を丁寧に切り替えていきます。そのために行っているのが、ユーモアを交えた自己紹介や、義足を実際に見て触れる体験、子どもたちからの質問にじっくり答える時間の確保です。

例えば、義足パパが「この義足は、ぼくの相棒なんだ」「雨の日用・スポーツ用など、シーンに合わせて使い分けている」と紹介すると、子どもたちの目線は「痛そうな足」から「工夫された道具」「自分の生活を広げてくれるパートナー」へと変わっていきます。また、義足をつけて実際に歩いてみせたり、スポーツの写真や動画を見せたりすることで、「できないこと」ではなく「できること」のイメージを強く印象づけることができます。

子どもの最初の受け止め授業での関わり方価値観の変化のゴール
「かわいそう」「痛そう」気持ちを否定せず、「そう感じたんだね」と受け止めたうえで、実際の生活や工夫について質問してもらう。「大変なこともあるけれど、それだけでその人のすべてが決まるわけではない」と理解できる。
「こわい」「見てはいけない気がする」義足パパが自ら義足を紹介し、「じっと見てもいいよ」「気になることは聞いてね」とオープンに伝える。「見てはいけない」から「知ることで相手を大事にできる」への意識転換が起こる。
「すごいけど、自分とは関係ない」困ったときに周りに助けてもらった経験や、あきらめそうになった時の気持ちを共有し、子どもの経験とつなげる。「特別な人の話」から「自分もいつか困難を乗りこえるかもしれないという希望」へとつながる。

授業の中で教員が意識したいのは、「かわいそう」という言葉を使った子どもを叱るのではなく、その言葉の奥にある不安や知らないことへの戸惑いを、学びの出発点として大切にすることです。そのうえで、義足パパの体験談と結びつけながら、「同情」ではなく「共感」と「尊重」に基づく関わり方を一緒に考えていきます。

具体的には、「どんな言葉をかけられたらうれしいか」「どんな行動をされたらイヤか」を子どもたちと話し合い、教室での関わり方のルールを自分たちで作る活動が有効です。これにより、障がいの有無にかかわらず、クラス全体でお互いを尊重し合う文化を育てる契機となります。道徳科の「思いやり・感謝」「生命の尊さ」、総合的な学習の時間の「福祉」「人権」を扱う単元とも関連づけることで、出前授業の学びを日常の学校生活に根付かせることができます。

義足パパの話から学ぶインクルーシブ教育の考え方

インクルーシブ教育と特別支援教育の基礎知識

義足パパの出前授業では、まず教師や子どもたちが押さえておきたいのが「インクルーシブ教育」と「特別支援教育」の基本的な考え方です。インクルーシブ教育は、障がいの有無にかかわらず、同じ学びの場で共に学び合うことをめざす教育であり、その前提として子ども一人一人の違いを前提とした環境づくりが重視されます。一方、特別支援教育は、障がいの状態や学びのニーズに応じて、きめ細かい支援や指導を行う教育です。

義足パパは、自身の経験を通して「どちらが正しいか」ではなく、インクルーシブ教育と特別支援教育を対立させず、子どもの学ぶ権利を保障するために組み合わせて考える視点の大切さを伝えます。例えば、通常の学級で一緒に授業を受けながらも、必要なときには個別の支援や特別支援教室での指導を受けるなど、柔軟な学びの形があることを具体例とともに紹介します。

また、「障がいのある子どもだけを特別扱いする」のではなく、クラス全体にとって学びやすい環境を整えることが、結果として障がいのある子どもにも有効なユニバーサルデザインにつながるという視点も強調されます。教室の座席配置や掲示物の工夫、資料提示の仕方など、日常の授業の中でできる小さな配慮が、インクルーシブ教育の一歩になることを伝えられます。

観点インクルーシブ教育特別支援教育
目的同じ場で共に学び、互いの違いを認め合いながら学びの機会を保障する。一人一人の障がいや特性に応じた、専門的・個別的な支援と指導を行う。
学びの場通常の学級を中心とするが、必要に応じて柔軟に支援を組み合わせる。特別支援学級や通級による指導など、専用の場での学習も含まれる。
義足パパのメッセージクラスの一員として当たり前にそこにいることが、子どもたちの価値観を変えるきっかけになる。専門的なサポートがあることで、自分の力を発揮しやすくなり、自信につながる。

このような整理を子どもたちと一緒に確認しながら、「障がいがあってもなくても、学ぶ権利は同じである」というメッセージを、義足パパのエピソードと結びつけて伝えることで、抽象的な概念だったインクルーシブ教育を、自分ごととして考えやすくなります。

合理的配慮と多様性の尊重を子どもにどう伝えるか

義足パパの出前授業で特に重要なキーワードとなるのが「合理的配慮」です。合理的配慮とは、障がいのある子どもが他の子どもと同じように学ぶ機会を確保するために、過重な負担にならない範囲で行う配慮のことです。義足パパは、自分が学校や職場でどのような配慮を受けて助かったか、またどのような配慮があればもっと参加しやすかったかを、具体的な場面とともに紹介します。

例えば、体育の授業での種目変更や参加の仕方の工夫、階段の昇降に時間がかかることへの理解、長時間立ち続けないようにするための座席位置の配慮など、日常の小さな工夫が、本人にとっては学びへの参加を左右する大きな意味を持つことを子どもたちに伝えることができます。

授業では、「特別扱い」ではなくその人が自分らしく参加するために必要な手助け=合理的配慮であることを、言葉だけでなくワークを通して理解させると効果的です。例えば、片足ケンケンで教室を移動してみる簡単な活動を行い、「このまま毎日過ごすとしたら、どんな配慮があったらうれしいか」を考えさせることで、相手の立場に立って配慮をイメージする力が育ちます。

また、多様性の尊重については、「できる・できない」で人を分けるのではなく、それぞれ得意なことも苦手なこともあるからこそ、助け合いや役割分担が生まれるという視点を伝えます。義足パパ自身も、走る速さでは子どもたちに勝てない一方で、障がいについて本音で話すことや、あきらめずに挑戦し続ける姿を見せることなど、得意なことを生かしてクラスに貢献できることを紹介することで、「できない部分」だけに注目しない見方を育てることができます。

教師は、義足パパの話の後に「もしクラスメイトが義足だったら、どんな声かけや行動がうれしいか」をテーマにグループで話し合う時間を設けると、授業で得た気づきをクラスの具体的な行動目標に落とし込むことができます。このとき、本人が望んでいないサポートを押しつけないことや、プライバシーへの配慮を忘れないことも併せて確認することが重要です。

小学校中学校高校それぞれでの障がい理解の深め方

義足パパの出前授業は、発達段階に応じたねらいと内容の工夫によって、どの学年でも効果的な障がい理解教育につなげることができます。ここでは、小学校・中学校・高校それぞれで大切にしたい視点と授業のイメージを整理します。

校種・学年段階主なねらい義足パパの話の活かし方活動例
小学校低学年「ちがい」があることは当たり前であると感じ、相手をこわがらずに関わる気持ちを育てる。義足を「こわいもの」としてではなく、「からだを助けてくれる道具」として紹介し、親しみやすい雰囲気で話す。義足を見たり触れたりする体験、義足パパへの素朴な質問タイム、簡単な疑似体験ゲームなど。
小学校中・高学年障がいのある人の気持ちや生活の工夫を想像し、自分にできる思いやりの行動を考える。事故や病気をきっかけに義足になった経緯を聞き、「悲しさ」だけでなく「前向きさ」や「挑戦」の側面にも注目させる。グループでの話し合い活動、「こんな配慮があったらうれしい」というアイデア共有、感想文や手紙を書く活動など。
中学校人権や多様性の視点から障がいを捉え直し、合理的配慮や社会の仕組みについて考える。義足パパの職場での経験や、偏見・差別につながる言葉への違和感などを共有し、「社会のバリア」に目を向けさせる。ロールプレイを通じた対話練習、「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」について調べて発表する探究活動など。
高校自分の生き方やキャリアを考える中で、障がいのある人と共に働き・暮らす社会づくりを主体的に考える。義足パパのキャリア選択や家族との関わり方、働き方の工夫などを通して、「共生社会」と「合理的配慮」を自分事として捉える。地域の課題調査や提案書作成、福祉・医療・スポーツなど進路と関連づけた探究、プレゼンテーション活動など。

このように、学年が上がるにつれて、「義足」そのものへの興味関心から出発し、「その人の生き方」や「社会の仕組み」へと学びを深めていく構成が効果的です。小学校段階では感情移入しやすいエピソードを中心にしつつ、中学校では人権や多様性に関する概念と結びつけ、高校では進路やキャリア教育と関連させることで、出前授業が単発で終わらず、継続的な学びへとつながります。

教師は、義足パパの話を聞いた直後だけでなく、数日後や学期末などに再度ふり返る時間を設け、自分たちのクラスや学校生活の中で、どのようなインクルーシブな実践ができたか、あるいはこれから何ができるかを確認していくことで、インクルーシブ教育の考え方を「一度の感動」で終わらせない授業づくりが可能になります。

出前授業で使える義足パパ流授業プログラム例

導入でのアイスブレイクと自己紹介の工夫

出前授業の最初の数分は、子どもたちの緊張をほぐし、義足パパと安心して対話できる雰囲気をつくることが重要です。ここでは、障がい理解や多様性の学びにつながるアイスブレイクと、義足パパならではの自己紹介の流れを想定して紹介します。

時間配分と導入の基本構成

45分〜50分程度の授業を想定した場合、導入は10分前後を目安に計画します。以下のように、時間とねらいを整理しておくと、学級担任と連携しやすくなります。

時間の目安活動内容ねらい教師・講師のポイント
0〜3分あいさつと今日のテーマ紹介授業の目的を共有し、安心感を生む「義足だから特別な人の話」ではなく「みんなの生活につながる話」だと伝える
3〜7分簡単なアイスブレイクゲーム緊張をほぐし、対話しやすい雰囲気をつくる座ったままできる活動を選び、参加の強制にならない声かけを意識する
7〜10分義足パパの自己紹介講師の人となりを知り、質問しやすくする「障がいの話」だけでなく、趣味や家族の話も交えて多面的な人物像を伝える

アイスブレイクの具体例

アイスブレイクは、発言が苦手な子どもも無理なく参加できる内容にすることが大切です。特別支援学級や通常学級、複式学級など、多様な子どもたちがいる教室であっても安全に楽しめるアクティビティを選びます。

例えば、小学校では「同じものビンゴ」(好きな給食、好きな遊びなどの項目をビンゴカードにし、友だちと共通点を探す活動)、中学校・高校では「3つのキーワード自己紹介」(自分を表す3つのキーワードを書いて近くの仲間と共有する活動)などが活用できます。これらの活動を通して、「人はみんな違ってみんないい」という多様性尊重のメッセージを自然に導入できます。

自己紹介で伝えるメッセージ

義足パパの自己紹介では、名前や住んでいる地域、家族構成、仕事だけでなく、義足であることも含めた「一人の大人・一人の親」としての姿を伝えることがポイントです。

その際、「どうして義足になったのか」の前に、「どんなことが好きなのか」「どんな子ども時代を過ごしてきたのか」といったエピソードを短く入れることで、子どもたちが「障がい」よりも先に「人」としてのイメージを持ちやすくなります。学級担任は、事前に児童生徒の特性や配慮事項を共有し、言葉の選び方や説明の深さを一緒に検討しておくと安心です。

義足体験や疑似体験を取り入れたアクティビティ

出前授業では、話を聞くだけでなく、自分の体や気持ちを使って考える体験的な学びを取り入れることで、障がい理解がより深まりやすくなります。ただし、義足の装着体験そのものは安全面や個人差への配慮が必要なため、疑似体験や観察を中心に構成するケースが多くなります。

子供達が義足を持つ様子

学年別アクティビティ例

学年ごとにねらいや発達段階が異なるため、活動内容も調整します。以下は、学年別のイメージ例です。

学年段階主なねらい活動の例教師・講師の工夫
小学校低学年見た目の違いへの素朴な疑問を安心して言葉にできるようにする片足で立つ・ゆっくり歩くなどのゲーム的疑似体験できる・できないを競わせず、「やってみた気持ち」を共有することを大切にする
小学校中・高学年不便さと工夫の両方に目を向け、「助け合い」の具体的イメージをもつ段差や狭い通路を想定した教室内の簡易コースでの疑似体験「かわいそう」ではなく「どうしたら一緒に過ごしやすくなるか」を話し合う視点を入れる
中学校・高校社会のバリアフリーや合理的配慮について、自分ごととして捉える校舎内のバリア探しワークや、義足の機能・構造に関する質疑応答体験をきっかけに、福祉、工学、医療、スポーツなどのキャリア教育にも接続する

これらのアクティビティは、単なる「疑似的に不便を味わう」ことが目的ではなく、「どうすれば誰もが学びやすく暮らしやすい環境になるか」を考える対話につなげることが大切です。

質問タイムでの安心安全な場づくり

義足パパの出前授業の大きな魅力は、子どもたちが普段聞きづらいことを、直接質問できる時間があることです。一方で、質問の内容によっては、当事者やクラスの友だちが傷つく可能性もあるため、「安心安全な場」の設計が欠かせません。

質問タイム前に共有したいルールづくり

質問タイムに入る前に、「人を傷つけない質問の仕方」について短く確認します。例えば、「からかうための質問はしない」「自分が同じことを言われたらどう感じるかを考える」「聞かれたくないことには答えなくてもよい」という3つ程度のルールを提示し、みんなでうなずいてからスタートします。

また、口頭で質問することが難しい児童生徒のために、事前に質問カードを書いてもらい、教師と義足パパで選びながら答える形式にする方法も有効です。特に中学校や高校では、匿名性があることで、より率直な質問が出やすくなります。

ファシリテーションのコツ

質問タイムでは、義足パパが直接答えるだけでなく、教師が間に入りながらファシリテーションを行うことで、学級全体の学びになります。例えば、「今の答えを聞いて、どう感じた人がいますか?」と問い返すことで、聞きっぱなしではなく、考えを共有する時間をつくることができます。

もし、少しセンシティブな質問が出た場合には、「大切な質問をしてくれてありがとう」と受け止めたうえで、言い換えたり、説明の深さを調整したりします。どんな質問が出ても否定しない姿勢を大人が示すことが、障がいに関する偏見を減らし、多様性を尊重する態度の育成につながります。

4.4 授業後のふりかえりワークと感想文の書き方

出前授業は、その時間だけで終わらせず、授業後のふりかえりや感想文指導を通して、学びを生活や将来に結びつけることが重要です。ここでは、学級担任が取り入れやすいワーク例を紹介します。

ふりかえりワークシートの工夫

ワークシートには、「今日新しく知ったこと」「心に残った言葉」「自分の行動を変えてみたいこと」などの欄を設けます。書くことが苦手な児童生徒のためには、絵やキーワードで表現できるスペースも用意すると、より多くの子どもが参加しやすくなります。

また、「義足パパにありがとうを伝えたいこと」「学校や地域で変えられそうなこと」などの問いを入れることで、障がい理解の学びを、学校づくりや地域づくりへの主体的な提案につなげることができます。

感想文の書き方指導のポイント

感想文を書く際には、「よかったです」「すごいと思いました」といった一言感想に終わらないよう、簡単な書き方の枠組みを提示します。例えば、「前はどう思っていたか」「授業を通して何が変わったか」「これから自分はどうしたいか」という3つの流れを示すことで、思考の変化や行動の目標が文章に表れやすくなります。

教師は、子どもたちの感想文を通して、「かわいそう」から「かっこいい」「一緒に生きていく仲間」へと価値観が変化しているかどうかに注目し、次の学級活動や総合的な学習の時間、道徳科での授業づくりに生かしていきます。こうした継続的な取り組みによって、義足パパの出前授業が、単発のイベントではなく、インクルーシブな学校文化づくりの一部として根づいていきます。

教師と保護者が押さえたい障がい理解授業づくりのポイント

障がい理解の出前授業を効果的な学びにつなげるためには、教材やゲストの魅力だけでなく、学習指導要領との関連づけ、学年に応じたねらいの明確化、そして保護者との丁寧なコミュニケーションが欠かせません。ここでは、教師と保護者が共通理解をもちながら授業づくりを進めるためのポイントを整理します。

学習指導要領と道徳科総合的な学習との関連

障がい理解の授業は、単発のイベントではなく、学習指導要領に基づいた系統的な学びの一部として位置づけることが重要です。特に「道徳科」「総合的な学習の時間」「特別活動」との関連を明確にすることで、学校全体で一貫したインクルーシブ教育を進めることができます。

道徳科では、「思いやり」「公正・公平」「生命の尊重」などの内容項目と結びつけることで、義足パパの経験から多様な他者を理解し尊重する態度を育てることができます。一方で総合的な学習の時間では、「福祉」「人権」「共生社会」をテーマに、調べ学習や体験活動、探究的な学びへと発展させやすくなります。

また、特別活動の学級活動や児童会・生徒会活動と結びつけることで、授業で学んだことを学校のルールづくりやボランティア活動、校内の環境整備など、具体的なアクションにつなげることができます。これにより、障がい理解が「知識の学習」にとどまらず「行動の変容」へとつながることが期待できます。

以下の表は、代表的な教育活動との関連の整理例です。

教育活動主なねらい義足パパの出前授業との結びつけ方
道徳科障がいのある人もない人も、互いに尊重し支え合う心情を育てる。義足になるまでの経緯や家族との関わりを通して、思いやりや共感、勇気などの価値について話し合う。
総合的な学習の時間共生社会やユニバーサルデザイン、合理的配慮などを自分事として探究する。事前・事後に調べ学習やインタビュー、校内のバリアフリーマップづくりなどの探究活動を組み合わせる。
特別活動学級・学校生活をより過ごしやすくするために、自分たちで話し合い行動する力を育てる。学級会で「みんなが安心して過ごせる教室づくり」をテーマに議題化し、具体的な取組(声かけ、座席配置、掲示など)を決める。

さらに、特別支援学級や通級による指導と連携し、児童生徒一人ひとりの実態に応じた支援や指導計画に位置づけることも重要です。その際、個別の教育支援計画や個別の指導計画との整合性を図りながら、学校全体で共通のビジョンをもつことが求められます。

学年別のねらい設定と評価規準の考え方

障がい理解の授業は、内容や教材が印象的であっても、学年の発達段階に合わないねらいや評価規準になっていると、学びが表面的な理解で終わってしまうおそれがあります。そこで、低学年・中学年・高学年・中学生・高校生といった発達の段階ごとに、「何ができるようになってほしいのか」を明確にしておく必要があります。

ねらい設定では、「知識・理解」「感情・態度」「行動・実践」といった観点をバランスよく含めるようにします。評価規準は、数値だけでなく、子どもたちの気付きや変容を丁寧にとらえる形成的な評価を中心に考え、指導と評価の一体化を図ります。

学年段階主なねらいの例評価の観点の例
小学校低学年義足や車いすなどに親しみをもち、「ちがい」があっても同じ仲間であることに気付く。話を真剣に聞こうとしているか、困っている人を見たときに「どうしようかな」と考えたり、言葉にしたりしているか。
小学校中学年障がいの特性や困りごと、その背景にある環境との関係を理解し始める。「かわいそう」という見方だけでなく、「どんな工夫があれば一緒にできるか」を考え、発言しているか。
小学校高学年合理的配慮やユニバーサルデザインの考え方を知り、教室や学校生活をよりよくするアイデアを出す。相手の気持ちや立場を想像しながら、自分の言動を振り返り、改善しようとしているか。
中学生障がい者差別解消法などの社会制度にも触れ、権利保障と社会参画の視点から共生社会を捉える。具体的な事例を基に、多様な意見を比較検討し、自分の考えを論理的に表現できているか。
高校生進路選択やキャリア形成と結びつけて、インクルーシブな職場や地域づくりに主体的に関わろうとする姿勢を育む。自ら課題を設定し、調査・発表・提案などを通して、具体的なアクションにつなげているか。

評価の方法としては、ワークシートやふりかえりカード、ルーブリック、自己評価・相互評価などを組み合わせると、子どもたちの変化を多面的にとらえることができます。その際、「正しい言葉を知っているか」だけではなく、「他者を尊重する行動や態度が少しずつ表れているか」を丁寧にみとる視点が大切です。

また、学年ごとに達成すべき水準を固定的にとらえるのではなく、学級の実態や地域の状況に応じて柔軟に調整します。特に、障がいのある児童生徒やその家族が在籍している場合は、本人や保護者の思いに配慮しながら、無理なく参加できる形を一緒に考えることが重要です。

義足パパの出前授業を学校に呼ぶには

依頼の流れと準備しておきたい情報

義足パパに出前授業を依頼する際は、学校行事全体との整合性を取りながら、問い合わせから実施当日までの流れと必要な情報を整理しておくことが大切です。行事担当や学年主任、特別支援教育コーディネーターなど、校内の関係者と連携し、早い段階から計画に組み込みます。

事前準備と校内での合意形成

まず、年間行事計画や学年ごとの指導計画を確認し、どの学年・どの教科(道徳科、総合的な学習の時間、特別活動など)と関連付けるかを明確にします。そのうえで、教務主任や管理職と相談し、出前授業のねらい(障がい理解・人権学習・キャリア教育など)と実施時期の候補を共有し、校内で合意を得ます。

併せて、保健室や養護教諭とも連携し、児童生徒の健康状態や配慮事項を確認しておくと、当日のプログラム調整がスムーズになります。必要に応じて、生徒指導担当とも情報共有し、学級の実態を踏まえた指導体制を整えます。

義足パパへの問い合わせ時に伝えたい情報

義足パパに初めて連絡する際には、単に「授業をお願いしたい」と伝えるだけでなく、次のような情報を整理しておくと、打ち合わせが具体的に進みます。

  • 学校名・所在地・担当者名・連絡先(メールアドレス・電話番号)
  • 実施を希望する学年・クラス数・児童生徒数・特別支援学級の有無
  • 実施希望日と時間帯(複数候補日、コマ数、午前・午後など)
  • 授業のねらいと位置づけ(総合的な学習、人権・同和教育、福祉教育、キャリア教育など)
  • 使える教室や設備(体育館、視聴覚室、オンライン環境、プロジェクター、マイクなど)
  • 児童生徒の実態(配慮が必要な障がいの有無、在籍する外国籍児童、支援が必要な児童など)
  • 保護者参観や地域公開授業としての実施の有無

これらをあらかじめ整理し、メール等で共有しておくことで、義足パパ側が児童生徒の実態に合わせた内容や表現に調整しやすくなり、よりインクルーシブな授業設計につながります

打ち合わせと当日までの準備

依頼の可否が確認できたら、オンライン会議や電話などで、当日の流れや時間配分、質疑応答の方法などをすり合わせます。

また、児童生徒に事前学習を行うことで、当日の理解が深まり、質問も具体的になります。担任や学年団で、義足や障がいに関する基礎知識、相手を尊重した言葉かけなどについて指導し、感想文のフォーマットやふりかえりシートも準備しておくとよいでしょう。

予算講師料交通費の目安と助成金の探し方

義足パパの出前授業を計画する際には、講師料・交通費・オンライン利用料など、かかる経費の全体像を把握し、学校予算や公的助成金などを組み合わせて確保することが重要です。金額は講師の活動方針や移動距離、実施時間、対象人数などによって変わるため、最終的には見積もりや打ち合わせで確認します。

☆義足パパの講師料は以下サイトご覧ください。

費用項目の整理と見積もりの取り方

一般的に想定される費用項目は、次のように整理できます。

費用項目内容予算検討のポイント
講師料出前授業そのものに対する謝金。準備時間や資料作成、打ち合わせにかかる時間も含まれることが多い。授業時間数や対象人数、学校の規模を伝えたうえで、講師側の規定額や希望額を確認し、学校の謝金規程と整合を取る。
交通費公共交通機関の実費や、自動車で来校する場合のガソリン代・高速道路料金・駐車場代など。学校の旅費規程に基づき、支給できる範囲と計算方法を事前に整理し、講師と確認する。
宿泊費遠方からの来校で前泊・後泊が必要な場合の宿泊にかかる費用。前泊が避けられない日程かどうかを検討し、必要な場合は、宿泊費の上限額や手配方法を明確にしておく。
オンライン関連費オンライン出前授業で、有料の会議システムや回線増設が必要な場合にかかる費用。既に自治体や学校で契約しているサービスを活用できるかを確認し、追加費用の有無をチェックする。
教材・印刷費事前・事後学習で用いるプリントやワークシート、掲示物などの作成・印刷にかかる費用。校内の印刷予算で対応できるか、PTA予算や学年費からの支出が必要かを検討する。

これらを一覧にし、学校予算(学校裁量経費、人権・同和教育費、福祉教育関連予算など)やPTA会計とすり合わせながら、どの項目をどの財源で賄うかを整理しておくと、校務分掌間での調整がしやすくなります。

助成金や外部資金の活用

学校予算だけでは十分な経費を確保できない場合、自治体や社会福祉協議会、民間財団などが実施する助成金・補助金の活用を検討します。募集要項には、対象となる事業内容や対象団体、申請時期などが細かく定められているため、「障がい理解」「インクルーシブ教育」「福祉教育」「人権啓発」など出前授業の趣旨と合致するかどうかを確認する必要があります。

申請にあたっては、授業の目的・実施内容・対象学年・期待される学習効果・予算内訳を整理した計画書が求められることが多いため、義足パパとの打ち合わせ内容をもとに、学校側で企画書を作成します。締切に間に合うよう、少なくとも数か月前から情報収集と準備を始めることが望ましいでしょう。

このように、義足パパの出前授業を学校に呼ぶ際には、単に日程を決めるだけでなく、依頼の流れや形式の選択、費用と財源の確保を見通して計画を立てることで、児童生徒にとって学びの深い機会を実現しやすくなります。

出前授業後の学校での継続的な取り組み

義足パパによる出前授業は、子どもたちが障がい理解や多様性について主体的に考え始める大きなきっかけになります。しかし、一度きりの特別授業で終わらせてしまうと、学びは次第に薄れてしまいます。授業後に学級や学校全体で継続的な取り組みを行うことで、インクルーシブ教育の考え方を学校文化として根付かせ、児童生徒一人ひとりの自己肯定感と他者理解を深めていくことができます。

ここでは、学級活動や委員会活動、キャリア教育・福祉教育との横断的な展開、地域の当事者団体やNPOとの連携など、日常の教育活動の中に出前授業の学びを生かす具体的な方法を示します。

学級活動・委員会活動にどうつなげるか

学級活動や児童会・生徒会、代表委員会などの場は、義足パパの出前授業で得た気づきを学校全体に広げていく絶好の機会です。「障がい」や「多様性」を特別なテーマとして扱うのではなく、日常の話題や学級経営の中に自然に位置づけていくことが継続的な学びにつながります。

学級活動(学級会)での対話とルールづくり

出前授業の直後だけでなく、数週間後・数か月後にも学級会でトピックとして取り上げ、継続的に振り返る場を設定します。例えば次のようなテーマで話し合うことができます。

学級会のテーマねらい具体的な話し合いの内容
みんなが安心して過ごせるクラスとは互いの違いを認め合う雰囲気づくり困っている友だちを見つけたときの声かけや、からかい・偏見を生まないためのクラスルールを話し合う。
義足パパの話から学んだことをクラスで生かすには出前授業の学びの定着授業で印象に残った言葉や場面を共有し、クラスとして実践したいことを宣言する。
一人ひとりができる「やさしい行動」主体的な行動目標の設定「困っている人に声をかける」「きまりやマナーを守る」など、日常でできることをカードに書き出して共有する。

話し合いの際には、義足パパが語った「できないことより、できることを見る」「助け合いはお互いさま」というメッセージを板書やワークシートに示し、子どもたちが自分事として考えられるようにします。

委員会活動・児童会・生徒会での学校全体への発信

委員会活動や児童会・生徒会では、出前授業を「学校行事」として振り返り、全校への広がりを意識した取り組みを行います。

例えば、代表委員会や児童会本部では次のような活動が考えられます。

  • 義足パパの出前授業を題材にした全校朝会での発表やスピーチ
  • 掲示委員会や図書委員会と連携した「多様性」「ユニバーサルデザイン」をテーマにした掲示物・おすすめ本コーナーの設置
  • 保健委員会による「心と体の健康」「障がい理解」を扱った啓発ポスターづくり
  • 放送委員会によるインタビュー番組風の特集放送

こうした児童会・生徒会の取り組みを通して、「障がいは特別な人だけの問題ではなく、誰にとっても身近なテーマである」という意識を学校全体に広げていくことができます。

学校だより・学年だよりでの共有と保護者への発信

出前授業の様子や子どもたちの変化を、学校だより・学年だより・学級通信などで発信することも継続的な取り組みの一部です。写真や子どもの感想、担任のコメントなどを載せることで、保護者と学びを共有し、家庭での対話につなげることができます。

紙媒体だけでなく、学校ウェブサイトや校内掲示板なども活用し、「学校全体で障がい理解と多様性を尊重する文化を育んでいる」というメッセージを継続的に発信していくことが重要です。

キャリア教育・福祉教育との横断的な展開

義足パパの出前授業の内容は、キャリア教育や福祉教育、道徳科、総合的な学習の時間など、さまざまな教科等と関連づけて深めることができます。「障がいを持ちながら働くこと」や「困難を乗り越えながら生きる姿」を通して、子どもたちが自分の将来や生き方を考えるきっかけになります。

キャリア教育としての位置づけ

文部科学省が示すキャリア教育の考え方では、勤労観・職業観の育成に加え、「生き方」を考える学習が重視されています。義足パパの出前授業を踏まえ、次のような学習を計画することができます。

  • 総合的な学習の時間で「生き方を考える」単元を設定し、義足パパの職業観や仕事の工夫について調べる。
  • 進路学習の一環として、「障がいのある人の就労」「合理的配慮のある職場環境」について調査し、新聞づくりやプレゼンテーションにまとめる。
  • 職場体験学習やインターンシップの事前指導で、「見た目や先入観で判断せず、一人ひとりの強みを尊重する姿勢」について話し合う。

これらの学習を通して、児童生徒は「障がいがあっても社会で活躍しているロールモデル」の存在を知り、自分の進路やキャリアについて前向きに考えられるようになります。

福祉教育・人権教育としての発展

義足パパの出前授業での学びを、福祉教育や人権教育の単元に発展させることも有効です。例えば、総合的な学習の時間や特別活動で、次のようなプロジェクト学習を行うことができます。

  • 学校や地域のバリアフリー調査を行い、写真付きのマップや改善提案レポートを作成する。
  • ユニバーサルデザインの製品や公共施設の工夫を調べ、ポスターセッション形式で発表する。
  • パラスポーツを題材に、障がい者スポーツの魅力や選手の努力を調べ、体育の授業やクラブ活動と連携して体験する。

こうした学習では、「かわいそうだから助ける」という視点ではなく、「誰もが自分らしく生きられる社会を一緒につくる仲間」という視点を育むことが重要です。

教科横断的な学びのデザイン

義足パパの出前授業をきっかけに、教科横断的な学びをデザインすることもできます。例えば、次のような連携が考えられます。

教科等学習内容の例義足パパの話とのつながり
国語障がい理解や多様性をテーマにした説明的文章・随筆の読解、意見文や感想文の作成義足パパの言葉やエピソードを引用しながら、自分の考えを論理的に書く学習につなげる。
社会日本国憲法の基本的人権、福祉政策、障害者差別解消法などの学習「合理的配慮」や「差別の禁止」といった視点から、義足パパの生活や働き方を考察する。
理科・技術義足や補装具の仕組み、身体の構造、工学技術の発達義足の構造や素材、3Dプリンターなどの最新技術を調べ、科学技術と生活の関係を理解する。
体育パラスポーツのルールや工夫、チームワークの学習障がいの有無にかかわらず一緒に楽しめるスポーツの工夫を考え、実際に活動する。

このように教科横断で学びをデザインすることで、障がい理解や多様性尊重が一過性のテーマではなく、日常的に学ぶべき重要な価値であることを児童生徒に実感させることができます。

学校評価・次年度計画への反映

出前授業後の継続的な取り組みを、学校評価や次年度の教育計画に位置づけることも重要です。教職員の振り返りや児童生徒・保護者へのアンケート結果をもとに、インクルーシブ教育・障がい理解教育を学校の重点目標の一つとして明確化すると、継続的・組織的な取り組みにつながります。

学校評価の項目として、「多様性を尊重する教育活動」「児童生徒の自己肯定感・他者理解の育成」「地域との連携による福祉教育の推進」などを設定し、具体的な達成状況と課題を毎年検証していくことで、義足パパの出前授業を起点とした学校づくりを継続的にレベルアップさせていくことができます。

まとめ


義足パパの出前授業は、義足の仕組みや障害のある人の生活を、知識として「知る」だけでなく、一人の生き方として実感できる“リアルな学び”として届ける授業です。
実際に義足を見て触れ、当事者の言葉を直接聞くことで、子どもたちは「障害」を特別視するのではなく、「身近にある多様性の一つ」として自然に受け止められるようになっていきます。

授業後には、
「からかいといじめの違いを初めて真剣に考えた」
「困っている人を見たとき、声のかけ方が変わった」
「自分も失敗していいんだと思えた」
といった声が、子どもたちや先生方から多く寄せられています。
一過性の感動で終わらず、日常の行動やクラスの空気に変化が表れる点が、この出前授業の大きな特長です。

また、義足パパ自身の経験をもとに、病気や事故、リハビリ、復職、子育てとの両立についても率直に伝えることで、キャリア教育の観点からも
「人生は一度つまずいても、何度でもつくり直せる」
「状況が変わっても、自分なりの役割や生き方を見つけられる」
というメッセージを、子どもたちの心に残すことができます。

学年や学校の実態に合わせて、内容の調整や重点テーマ(いじめ防止・障害理解・命の大切さ・キャリア教育など)のご相談も可能です。
体育館・教室での対面授業はもちろん、事前・事後学習と組み合わせた活用もご提案できます。

「うちの学校でも実施できるだろうか」
「まずは話を聞いてから検討したい」
そんな段階でも、どうぞお気軽にお問い合わせください。

子どもたちにとって忘れられない“出会い”となり、学校全体のいじめ防止やインクルーシブ教育を前に進める一歩として、ぜひ「義足パパ」の出前授業をご活用いただければ幸いです。

☆義足パパの出前授業のお問い合わせ↓

お願い:義足パパの活動を支えるスポンサー・ご支援について

義足パパの活動は、義足ユーザーとしてのリアルな日常や障害理解の発信、そして子どもたちへの出前授業・講演を通して、多様性の理解を広げることを目的としています。

こうした活動は、個人の想いだけでは継続が難しい部分もあり、多くの皆さまからのご支援やスポンサーシップによって支えられています。

スポンサー支援・寄付プランには、個人向けの応援プランから、企業向けの協賛プランまで複数の選択肢があり、
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「子どもたちの学びを支えたい」
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といった理由でご参加いただくことが可能です。

ご支援いただいたスポンサーの方々には、活動の発信でお名前を掲載することや、SDGs・CSR活動としての連携など、企業・団体としての社会貢献の機会にもつながります。

義足パパの活動は、講演・出前授業・メディア発信などを通じて、義足や障害のある人のリアルな生活や価値観を社会に届けています。全国の学校・自治体・企業・教育機関からの依頼にも対応しており、スポンサーとしてのご支援は、こうした活動の継続と広がりに直結します。

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「義足パパの次の一歩を応援したい」「子どもたちに本物の学びを届けたい」という企業・団体・個人の方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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