高齢化社会が進む中、自宅をバリアフリー化する人が増えています。
飲食店やレストラン、ホテル、病院など、多くの施設でもバリアフリー対応が進んでいるのは嬉しいことです。
足を切断した方にとって、自宅をバリアフリー化することは、日々の暮らしをより快適で安全なものにする重要な手段のひとつです。
使いやすい住環境を整えることで、自立した生活をサポートし、心にゆとりを持つこともできます。
この記事では、足の切断後も快適に暮らすための具体的なバリアフリーの秘訣をわかりやすくご紹介します。
義足の進化と現実を知ることで不安を軽減しよう
近年の義足は技術が進化し、以前に比べてスムーズに歩行できるようになっています。
しかし、これはあくまで「以前と比較して」という話です。
実際には、健常者と比べると歩行には少し難しさがあります。
義足には「感覚」がないため、例えば階段を上り下りする際には、足元をしっかり目視しながら、一段ずつ慎重に動く必要があります。
また、平坦な道であっても、凸凹がある場合は目で確認しながら歩く必要があります。
この注意は自宅内でも同じです。
平らな床に義足が正しく接地しなければ、バランスを崩して転倒してしまうリスクがあります。
そのため、住環境のバリアフリー化や、リハビリを通じた歩行技術の向上が非常に重要です。
義足を使う上での現実を理解しつつ、それを乗り越えるための備えを行うことで、新たな生活への自信につなげることができます。
焦らず一歩ずつ向き合っていきましょう！
これだけは押さえたい！切断後の生活を快適にするバリアフリーのポイント
ここからは、実際にバリアフリーを進める際に役立つ具体的なポイントをご紹介します。
日々の暮らしを安全で快適にするための工夫を一緒に見ていきましょう。
①玄関前をスロープ化する ～玄関を安全に！
日本の住宅の多くでは、玄関に段差があるのが一般的です。
玄関周りをきれいに保つことで義足でもある程度問題なく歩行できますが、安全性を高めるためにはスロープの設置がおすすめです。
すべての段差をスロープにするのは費用の面で負担が大きくなりますが、段差の一部だけをスロープ化するだけでも十分効果的です。
また、段差の横に手すりを設置することでも、転倒リスクを大幅に軽減できます。
これらの工夫によって、義足ユーザーが安心して玄関を利用できるようになります。
スロープと手すりを設置するリフォームには、40～50万円程度の費用がかかる場合がありますが、安全な生活環境を整えるための有益な投資といえるでしょう。
②階段やトイレ、お風呂などに手すりを設置する ～転倒防止のために手すりを！
義足を外して入る浴室はもちろん、義足でバランスを崩した際の転倒防止策として、手すりの設置は欠かせません。
玄関で靴を脱ぐ際や階段の上り下り、お風呂やトイレ、さらには寝室でも手すりは安全性を高めるために必須といえます。
手すりには、水平型、階段用、縦型（I型）、L型など様々な種類があるため、それぞれの設置場所や用途に応じて選びましょう。
例えば、階段には専用の手すりを、浴室やトイレには安全性を重視した縦型やL型手すりを設置するのがおすすめです。
設置費用については、階段の手すりが約10万円、その他の箇所は手すりの種類により1箇所あたり3～8万円程度が必要になることが一般的です。
こうしたリフォームによって転倒リスクを大幅に減らし、安心して暮らせる環境を整えることができます。
安全で快適な生活を送るために、ぜひ手すりの設置を検討してみてください。
③浴室の床を滑りにくい素材に変える ～浴室での安全を守る！
浴室は義足を外す場所であり、特に転倒のリスクが高い場所です。
手すりを設置することでリスクを軽減できますが、さらに重要なのが「床材選び」です。
お湯で濡れた床は滑りやすくなるため、滑りにくい素材に変更するのが安全性を高めるポイントです。
樹脂素材の床は滑りにくく、リフォームコストも比較的低いためおすすめです（費用目安：約5万円程度）。
また、柔らかい床材である床シートも良い選択です。
価格が安く、万が一転倒しても大きなケガにつながりにくい特性があります（費用目安：約5～10万円程度）。
こうした工夫を取り入れることで、安心して浴室を使える環境を整えることができます。
④屋内の中の段差を極力減らす ～家の段差解消で安全性と快適さをアップ！
お風呂や就寝時以外は義足を付けることが多いかもしれませんが、断端が傷ついている場合は装着が難しくなることもあります。
そのため、一時的に松葉杖や車椅子を使う期間が必要になる場合もあるでしょう。
こうした状況に備えて、自宅内の段差をなくすリフォームがおすすめです。
段差を解消することで、松葉杖や車椅子を使う際の移動がスムーズになり、転倒リスクも大幅に減らせます。
また、身体の不自由な友人や親族を招いた際にも、安心して過ごせる環境を整えることができます。
廊下の段差解消は5万～15万円程度、リビングの段差解消には10～20万円程度が目安です。
さらに、住んでいる市区町村で補助金制度を利用できる場合もあるため、問い合わせてみる価値があります。
安全で快適な住環境を整えることは、義足ユーザーの生活を大きく支える一歩となります。
まとめ
今回は、「足の切断後も快適に暮らすためのバリアフリーの秘訣」をご紹介しました。
足を切断しても義足を装着することで自立した生活や歩行が可能になりますが、日常にはどうしても転倒リスクが伴う場面があります。
だからこそ、安心して暮らすための環境づくりが大切です。
スロープの設置や手すりの取り付け、滑りにくい床材への変更、段差の解消といった工夫を取り入れることで、安全性を高め、日々の暮らしがもっと快適になります。
もし自宅のバリアフリーについて不安があれば、この機会にリフォームを検討し、暮らしの質を向上させてみてはいかがでしょう。
自分に合った住環境を整えることで、不安を軽減し、新たな生活への一歩を力強く踏み出せるはずです。
あなたの挑戦を心から応援しています。
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