足を切断した後のリハビリ内容と期間について

病気や事故によって足を切断しなければならない状況は、誰にでも起こり得る可能性があります。

今まさにその決断を迫られている方や、切断という選択肢が頭をよぎる方にとって、その不安は計り知れないものだと思います。

しかし、大きな不安を抱えながらも、切断後の生活をより具体的にイメージすることで、少しずつ気持ちを整理し、未来を前向きに考えるきっかけを得ることができます。

この記事では、「足を切断した後のリハビリ内容と期間」について、わかりやすく解説しています。

切断後の生活に向けた準備やリハビリの実際を知ることで、不安を和らげ、少しでも安心して未来に踏み出せるお手伝いができれば幸いです。

あなたが自分らしい生活を取り戻すためのヒントとなれば嬉しいです。

足を切断した後のリハビリとは？最初のステップを知ろう

まずは、足を切断した後のリハビリ内容についてお伝えします。

術後は断端痛や幻肢痛（切断した足がまだあるように感じる感覚や痛み）が生じることが多いですが、これらの痛みと向き合いながらリハビリが進められていきます。

術後まもない段階から、本格的なリハビリを開始することが重要です。

リハビリの目的は、断端部分のケアや残った筋肉の強化を行い、義足を装着して自立した生活を目指すことにあります。

これからの生活に向けた第一歩として、どのようなリハビリが行われるのか、ぜひ具体的に知ってみてください。

①術前リハビリで未来を変える！術後の生活に備えてできること

術後には本格的なリハビリが始まりますが、実は術前にリハビリを進めておくことが、術後の回復をよりスムーズにする大きなポイントです。

足の切断後は、これまで使っていなかった筋肉を頻繁に使うようになります。

そのため、健康な腕や腹筋、背筋を鍛えることが必要です。

また、片足切断の場合は、残った足の筋力アップを進めることが特に重要です。

この筋力トレーニングは術後も継続することで、日常生活の動作を支える力になります。

さらに、関節が固まると可動域が狭まり、動作がより制限されてしまいます。

そのため、術前から柔軟運動を取り入れ、関節の可動域を広げておくことも欠かせません。

これにより、術後の動作が格段にスムーズになります。

そして、車椅子や松葉杖の感覚や操作法を事前に練習しておくことも忘れないでください。

術後に新しい生活環境に慣れる際、この準備が自信につながり、不安を軽減する助けになります。

術前からのこうした積み重ねが、術後の生活の質を大きく変える鍵となります。

未来の自分のために、今からできることを少しずつ始めてみましょう。

あなたの一歩一歩が、より快適で前向きな生活に繋がるはずです。

②義足で歩む新しい未来へ！リハビリのリアルを知ろう

足を切断したとしても、義足を装着することで再び歩行や自立が可能になります。

しかし、そのためには段階的なリハビリが欠かせません。

本格的な訓練が始まるまでにも、いくつかの準備が行われます。

例えば、大腿切断の場合はベッドに断端坐骨を乗せて体重をかける訓練を行い、下腿切断の場合は膝蓋腱で全体重を支えられるよう練習します。

これらの訓練により、他者のサポートを必要とせず、自力で体重をかけることができる状態を目指します。

しかし、義足を装着すればすぐに自由に歩けるわけではありません。

最初のうちは痛みや違和感を覚えることもあり、短い距離を歩くだけで疲れることも珍しくありません。

このような壁に直面することで、不安を感じる瞬間もあるでしょう。

③一歩一歩、未来への歩行訓練を始めよう

義足の脱着や切断した足に体重をかける訓練を進めた後、いよいよ歩行訓練がスタートします。

歩行訓練で最もよく利用されるのが「平行棒」です。

この補助器具を使いながら、少しずつ歩く感覚を取り戻していきます。

平行棒を使う訓練では、両手で棒を掴み、義足と残っている健康な足を交互に使う「4点歩行」から始めます。

最初は手と足を出すタイミングを掴むのに苦労することもありますが、続けるうちに体幹が安定し、歩行のスピードや動きがスムーズになっていきます。

その後、松葉杖を使いつつ片手で平行棒を掴んで歩く訓練に進み、最終的には平行棒なしで歩けるようにステップアップしていきます。

訓練中はバランスを崩してもすぐ平行棒を掴めるよう、必ず平行棒の脇を歩くように指導されます。

また、補助者と向き合いながら杖や手を頼りに歩く訓練も行われる場合があります。

このリハビリは多くの時間と労力を必要としますが、補助器具を減らしながら少しずつ前進していく過程で、自信や社会復帰への希望を見い出せることが多いです。

ただし、思うように進まない時期が続くと、落ち込んでしまうリスクも伴います。

そのため、無理せず自分のペースでリハビリを進めることが大切です。

歩行訓練は新たな未来へのスタートを切る大切なプロセスです。

リハビリ期間は人それぞれ！自分に合った歩みを進めよう

リハビリにかかる時間は、切断箇所や年齢、筋力など身体的な状態、そして精神的な状況によって大きく異なります。

例えば、10代～30代の若年層で心身ともにポジティブであれば、3ヶ月程度でリハビリを終えるケースも少なくありません。

一方で、40代以降になると体力や回復力が若干落ちることもあり、心身のどちらかに課題がある場合は、5～6ヶ月程度かかることもあります。

また、股義足や大腿義足のケースでは、リハビリ期間がさらに長くなる傾向があります。

下腿義足の場合は比較的リハビリ期間が短く、人によっては入院せずにジムや自宅で日常生活と並行してリハビリを行う方もいます。

ただし、都市部に住んでいる方であれば、義足に特化したリハビリ病院が近くにある場合も多いため、入院して集中的にリハビリを行うのが効率的といえるでしょう。

自分の状況や体力に合ったリハビリプランを選ぶことが大切です。

まとめ

今回は、「足を切断した後のリハビリ内容と期間」についてお伝えしました。

術前には筋力や関節の可動域を鍛えるリハビリ、車椅子や松葉杖の練習を進め、術後には義足の着脱訓練や歩行訓練に取り組むことになります。

3ヶ月から6ヶ月という時間を要することもありますが、このプロセスを経て、他者に頼らず自立した生活や歩行が可能になる可能性が大いにあります。

一歩一歩着実に取り組むことで、自分らしい生活を取り戻す未来がきっと見えてきます。

ぜひ前向きに挑戦してみてください！